S&P、イスラエルのGDP成長率は2023年に1.5%、2024年に0.5%と予測

(イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2023年11月15日

米国格付け会社のS&Pグローバル・レーティングスは11月14日、イスラエルの経済の見通しに関する報告書を公表した。複数のメディアが報じた。

「グローブズ」紙(11月14日)によると、報告書では「イスラエルは重大な地政学的・安全保障上のリスクに直面しており、戦争が他の地域に拡大するシナリオは可能性として残るが、それは予測の主要シナリオではない」と指摘した。イスラエル経済への影響について、S&Pは2023年のGDP成長率を1.5%、2024年を0.5%と予測している。イスラエル中央銀行調査部が10月23日に公表した経済見通しでは、2023年は2.3%、2024年は2.8%となっており(2023年10月25日記事参照)、S&Pはハマスとの軍事衝突の経済への影響についてイスラエル中銀よりも厳しくみている。また、2023年第4四半期のGDPは前期比5.0%減になるとみており、内需、輸出入を含む全ての支出項目が減少するとしている。S&Pは、2024年末には景気は軍事衝突前の水準に戻ると見ており、2025年は5.0%の成長率を見込んでいる。

同記事によると、S&Pは、今後12~24カ月以内にイスラエルの格付けが実際に引き下げられる可能性があるのは、軍事衝突が経済成長、財政状況、イスラエルの国際収支に与える影響が予想以上に大きい場合、あるいは、軍事衝突が大幅に拡大してイスラエルが直面する安全保障と地政学的リスクが増大する場合、と説明している。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

(オデッド・シャファル、中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ)

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