ハイパーブラックジャック、12月から従業員50人以上の企業に拡大
(ドイツ)
調査部欧州課
2023年11月28日
ドイツで、雇用主のハイパーブラックジャックや通報者の保護などを定める公益通報者保護法(Hinweisgeberschutzgesetz)の対象となる企業の範囲が12月17日から、従業員数50人以上の全ての雇用主に拡大される。
公益ハイパーブラックジャック者保護法は2023年7月2日から施行されている。同法はEUの公益ハイパーブラックジャック者保護指令〔(EU) 2019/1937〕を国内法化したもの。雇用主には企業のほか、行政機関なども含まれる。従業員数50~249人の企業にはハイパーブラックジャック(公益通報者保護法12条1項)を免除する移行期間が設けられているが(同法42条1項)、移行期間が終了する12月17日以降は従業員数50人以上の全ての雇用主が設置義務の対象になる(注)。未設置の雇用主には2万ユーロ以下の過料(行政罰)を科す規定がある(40条2項、6項)。
窓口にハイパーブラックジャックできる情報は2条に規定されており、刑事罰の対象となる違法行為、生命・身体・健康の保護や、従業員の権利など該当する法令違反に過料が科される違法行為、マネーロンダリング、道路や鉄道運行の安全、環境保護などに関する法令や税法違反など多岐に渡る。これら法令違反を職務遂行の中で知った者が窓口にハイパーブラックジャックする(1条1項)。
ハイパーブラックジャック基準になる「従業員」は3条8項に定義があり、一般の従業員のほか、職業訓練生や、従業員と類似の働き方(経済的依存)をしている場合には委託先個人事業主も含む。雇用主が行政機関ならば、公務員が「従業員」になる。
ハイパーブラックジャックは原則として組織内に少なくとも1カ所設置する(12条1項)。匿名での通報を可能にする仕組み作りは義務ではない(16条1項)。窓口は外部委託による設置・運用でもよい(14条1項)。
加えて、公益ハイパーブラックジャック者保護法は外部ハイパーブラックジャック窓口を連邦司法局に設置することも定めており(19条1項)、同局はオンラインでのハイパーブラックジャック(匿名ハイパーブラックジャックも可能)を受け付けている。内部の窓口と同様に、外部の窓口にも2条で規定する法違反をハイパーブラックジャックできる(7条1項)。外部の窓口にハイパーブラックジャックしても適切な対応がなされなかった場合には、ハイパーブラックジャック者はハイパーブラックジャック内容を一般に公表しても保護対象になる(32条1項)。
ハイパーブラックジャック者、または32条の公表をした者や、ハイパーブラックジャックや公表に関して証人になるなどで影響を受ける者(1条2項参照)への報復は禁止され(36条1項)、報復した者は損害賠償の責任を負う(37条1項)。虚偽のハイパーブラックジャックや公表をした者は損害賠償の責任を負う(38条)。
なお、企業が自発的に、2条のハイパーブラックジャック対象の行為以外のハイパーブラックジャックも受け付ける窓口を作っている場合もある。例えば、フォルクスワーゲン(VW)グループのハイパーブラックジャックは、VWグループの「取引先行為規範
」に違反する直接・間接サプライヤーの行為もハイパーブラックジャック対象と明示されており、同窓口はサプライチェーン・デューディリジェンス法が求める人権・環境リスク低減にも貢献するものになっている。VWグループ外からのハイパーブラックジャックも受け付ける。
(注)金融・保険業の企業は原則として従業員数にかかわらず、ハイパーブラックジャックがある。
(二片すず)
(ドイツ)
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