岸田首相がフィリピンを訪問、フィリピンは日本からのさらなるインフラ投資に期待
(フィリピン)
マニラ発
2023年11月13日
岸田文雄首相は11月3日、フィリピンを訪問し、フェルディナンド・マルコス大統領との首脳会談を行った。会談には、フィリピン側からエンリケ・マナロ外相、ギルベルト・テオドロ国防相、クリスティーナ・フラスコ観光相らが参加し、安全保障・防衛協力、経済・人的交流、地域・国際情勢などが協議された。
首脳会談では、安全保障・防衛協力に関して部隊間協力円滑化協定(RAA)の交渉開始で合意したほか、経済分野ではマルコス大統領が進める「ビルド・ベター・モア」政策を日本が引き続き官民を挙げて支援していくことを確認した。インフラ開発に関しては、2023年2月にマルコス大統領が訪日した際にも、岸田首相から2023年度末までに官民合わせて6,000億円の支援を表明している。フィリピンも日本企業からの投資を歓迎している(2023年2月22日記事参照)。10月に運輸省がミンダナオの鉄道事業に関して中国との交渉取りやめを発表したことも、インフラ開発における日本の注目度を高めている要因の1つといえる。
今回の訪問で岸田首相が視察したマニラ首都圏地下鉄計画においては、すでに入札を終えている区間を日本の東急建設、清水建設、西松建設などが落札し受注している。また、残りの3区間については2023年8月31日に入札を締め切っている。運輸省によれば、6月時点で日本企業や地場企業など16社が関心を示していた。地下鉄の全線開通は2029年を予定している。
(西岡絵里奈、アセンシオ・アシュレイモイラ)
(フィリピン)
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