米コマツ、電動化に向けEV用バッテリーメーカーABSを買収

(米国)

シカゴ発

2023年11月24日

建設機械大手のコマツは11月20日、米国の子会社であるコマツアメリカを通じて、大型リチウムイオンバッテリー製造のアメリカン・バッテリー・ソリューションズ(本社:ミシガン州、以下ABS)の買収に合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の買収の財務条件は明らかにされていない。

ABSは商用車やバス、重機用の大型バッテリーシステムの設計・製造を行っており、ミシガン州に12万平方フィート(約1万1,100平方メートル)のテクニカル・イノベーション・センター、オハイオ州に17万平方フィート(約1万5,800平方メートル)の最新バッテリー製造施設を運営している。

発表によると、コマツは買収によって、ABSのバッテリー技術と自社の知識・ネットワークを統合することで、独自のバッテリー駆動の建設・鉱山機械の開発・生産が可能となる。電動鉱山機械の需要が高まる中、ABSのバッテリーを搭載して生産される最初の機械は、北米および南米で使用される予定だ。

コマツは近年、重機の電動化に力を入れており、2022年には電動ショベルと電動コンパクトホイールローダーを発表した。従来型のディーゼルエンジン搭載の重機と異なり、電動重機は屋内での使用時の騒音や空気の質を監視する必要がなく、また、排出ガスの放散のために長時間、機械を停止する必要がないため、長時間の稼働が可能という利点があるという。渕田誠一最高技術責任者(CTO)兼開発本部長は2023年4月に、「2030年までに2010年比で二酸化炭素(CO2)排出量の50%削減目標を達成し、2050年末までにカーボン・ニュートラルを達成する目標を掲げており、そのために電動の機械の開発を加速させる有望な技術をサプライヤーに求める」と説明していた。

国際金属・鉱業評議会(ICMM)によると、世界の鉱山・採掘関連の大手企業の多くは、2050年までに企業による直接・間接的な炭素排出をネットゼロにする目標を掲げている。CO2排出量削減の必要性に迫られる中、採掘事業における電動化が進んでいる(マイニング・テクノロジー6月27日)。

(星野香織)

(米国)

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