上川外相、イスラエル・パレスチナ・ヨルダンを訪問
(日本、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン)
テルアビブ発
2023年11月07日
日本の外務省の発表によると、上川陽子外相が11月3~5日の日程でイスラエル、パレスチナ自治区、ヨルダンを訪問し、それぞれの外相らと会談を行った。
上川外相は3日午前、イスラエルのテルアビブでエリ・コーエン外相と会談した。冒頭、上川外相から、ハマスなどによる残虐な殺りくやテロ攻撃を断固として非難する旨をあらためて述べ、イスラエル国民との連帯の意を表明した。その上で、日本としてガザ地区の人道状況を憂慮しており、人道的休止が必要であること、全ての行動は国際人道法を含む国際法に従って行われるべきことを提起した。上川外相はその後、アイザック・ヘルツォーク大統領を訪問し、ハマスなどによるテロ攻撃を断固として非難する旨をあらためて述べた。
同日午後には、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸でリヤド・アル・マリキ外相と会談を行った。上川外相は、ハマスなどのパレスチナ武装勢力によるイスラエルへのテロ攻撃を断固として非難した上で、日本は(1)人質の即時解放・一般市民の安全確保、(2)全ての当事者が国際法に従って行動すること、(3)事態の早期沈静化を一貫して求めてきている旨を述べた。また、ガザ地区の人々に一日も早く必要な支援を届けることが目下の優先課題であることから、既に決定している1,000万ドルの緊急無償資金協力に加え、今後約6,500万ドルの追加的な人道支援および国際協力機構(JICA)を通じた支援物資の供与を行うべく取り組んでいる旨を伝えた。
上川外相は4日、ヨルダンのアンマンでアイマン・サファディ副首相兼外務・移民相と会談を行った。上川外相は、イスラエルからの邦人らの輸送における協力に深く感謝する旨を述べ、サファディ外相からは、邦人の安全確保に協力を惜しまない旨の発言があった。さらに、上川外相から、「二国家解決」を支持する日本の立場は不変であることをあらためて伝えた。
なお、外務省は11月3日、イスラエルに在留する日本人20人および外国籍家族、韓国人、ベトナム人、台湾人ら計46人が、航空自衛隊のKC-767によりイスラエルを出発し、3日夕方に羽田空港に到着したことを明らかにした。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。
(中溝丘)
(日本、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン)
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