ネタニヤフ・イスラエル首相「戦争の第2段階に突入」、バイデン米大統領は国際人道法に合致した方法強調
(イスラエル、パレスチナ、米国)
テルアビブ発
2023年10月30日
イスラエルとハマスの軍事衝突開始(イスラム原理主義組織ハマスがカード)から10月29日で22日が経過した。イスラエル国防軍(IDF)はハマスとの戦闘強化の一環として、27日夜からパレスチナ自治区ガザ地区内で地上活動を続けており、29日にはこの1日間でハマスの作戦司令部や観測所、対戦車ミサイル発射基地を含む450以上のテロ標的を攻撃したことを明らかにした。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は28日夜の記者会見で「わが軍の地上部隊がガザ地区に入った。これは戦争の第2段階だ」と述べた。続けて「この目的は、ハマスの軍事力と統治能力を破壊し、捕虜を帰還させることだ。地上作戦の拡大については、戦争内閣でも安全保障内閣でも全会一致で決定した」と説明した。また「ガザ地区内での戦争は長く困難なものになるが、これはわれわれの第2の独立戦争だ。陸海空で戦い、勝利する」と述べた。
ネタニヤフ首相は29日、米国のジョー・バイデン大統領と電話会議を行った。ホワイトハウスによると、バイデン大統領は、イスラエルには自国民をテロから守るあらゆる権利と責任があると述べつつも、民間人の保護を優先する国際人道法に合致した方法で行う必要性を強調したとしている。さらに、バイデン大統領は、ガザの民間人に対する人道支援の流れを直ちに大幅に拡大する必要性を強調したとしている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、28日現在、パレスチナ側では7,703人が死亡、イスラエル側は約1,400人が死亡しており、双方の死者数は合計で9,100人以上に達している。イスラエル当局によると、ガザではイスラエル人と外国人の計230人が拘束されている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。
(アリサ・ノスキン、中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、米国)
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