米農務省、チリはレストラン新規参入余地が高いと報告
(チリ、米国)
サンティアゴ発
2023年10月31日
米国農務省(USDA)は10月18日、チリのレストラン産業に関するレポート「フード・サービス – ホテル・レストラン・その他施設(Food Service - Hotel Restaurant Institutional)」を発表した。
同レポートは、チリと他の中南米諸国を比較した際のレストラン産業の大きな違いの1つとして、市場が飽和していない点を挙げている。ペルーやメキシコでは人口1万人当たり70軒超のレストランが存在するが、チリはわずか8軒しかなく、USDAは新しいレストランの成長と拡大の余地は十分にあると指摘している。
チリのレストラン産業は1万5,500軒を超えるレストランなどで構成されており、2022年の売上高は約40億ドルに達した。1店舗当たりの年間売上げ平均は中南米一となる約27万ドルで、1人当たりのレストラン消費額は平均8.96ドルだった。新型コロナウイルスのパンデミックを経て、ウーバーイーツ(Uber Eats)、ラッピ(Rappi)、ベディードスジャ(PedidosYa)などのフードデリバリーサービスの利用が劇的に増加しており、2022年はレストラン産業の売り上げ全体の40%をデリバリーサービスとテイクアウトが占めた。
レストラン産業を「フルサービス」「ファストフード」「カフェとバー」の3つのカテゴリーに分類した売り上げシェアをみると、フルサービスのレストランチェーンでは「ニウ・スシ」が市場シェア32.2%を占めて1位だった(添付資料表1参照)。ニウ・スシは国内で約50店舗を展開するチリ最大のすしチェーンで、チリ風にアレンジしたすしロールが人気を集める。また、新型コロナ禍には独自のオンライン注文チャネルと配送網を構築し、2022年の売り上げは2019年比で2倍に拡大した。2023年8月には、初の国外進出となるメキシコに新店舗をオープンしている。ほかにも、ファストフードチェーン部門では、2割のシェアを獲得したマクドナルド(21.5%)がトップ、カフェとバー部門ではスターバックスが市場シェアの5割を占め、存在感を示した(添付資料表2、3参照)。
(岡戸美澪)
(チリ、米国)
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