GCCとASEANが初の首脳会議をリヤドで開催

(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、湾岸協力会議(GCC)、ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー)

リヤド発

2023年10月23日

サウジアラビアを含む湾岸諸国会議(GCC)とASEANとの初の首脳会議(サミット)が10月20日、GCC本部のあるサウジアラビアの首都リヤドで開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が共同議長を務め、GCC、ASEAN各国首脳のほか、それぞれの事務総長が出席した。

GCC事務局によると、今回の会議でGCC首脳は、両地域の共通の関心と深く根ざした歴史的な結びつきに触発され、共通の関心事である地域的・国際的問題について意見交換を実施した。さらに、両地域のパートナーシップの将来への共通のビジョンとともに、国連憲章に具現化された価値観に基づき、2つのダイナミックな地域間の協力を通じて活用できる成長機会を活用するため、パートナーシップを向上・発展させる方法について話し合った。会議終了後には、全てのGCC加盟国が東南アジア友好協力条約(TAC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに加盟したことが発表された。

共同宣言ではガザ問題にも言及

終了後の共同宣言では、(1)平和、安全、安定と繁栄を促進するべく共に努力し、国際秩序を維持すること、(2)「インド太平洋におけるASEANアウトルック(AOIP)」(注)での協力の模索、(3)国際法に基づく海洋の合法的な利用、(4)持続的な開発、平和、安全などを実現するための経済交流、貿易投資の促進に向けた協力の強化。また、その実現に向けて2024年上半期にサウジアラビアで第1回GCC-ASEAN経済投資会議を開催すること、(5)政治、安全保障、貿易・投資など幅広い分野における共通の関心と相互利益のためGCCとASEAN協力枠組み(2024-2028年)を歓迎すること、(6)国境を越える犯罪、サイバー犯罪、テロリズム、過激主義の防止と撲滅における協力の模索など、42項目にわたる幅広い協力の枠組みが発表された。

また、パレスチナ自治区ガザ地区における最新情勢に関する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表された。(1)市民に対する攻撃への非難、持続可能な停戦の要求、人道援助の確保、(2)文民保護、国際人道法の順守、(3)民間人の人質および抑留者の即時かつ無条件の解放、(4)1967年以前の国境線に基づく「二国家解決」を実現することを視野に入れた紛争の平和的解決への努力、(5)イスラエル・パレスチナの衝突を解決するためのサウジアラビア、EUおよびアラブ連盟のイニシアチブへの支持が盛り込まれた。

(注)2019年の第34回ASEAN首脳会議で採択されたASEAN独自のインド太平洋構想。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、湾岸協力会議(GCC)、ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー)

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