低下傾向が続くバイデン米大統領の支持率、世論調査
(米国)
調査部米州課
2023年10月11日
最近の世論調査では、米国のジョー・バイデン大統領の支持率が4割を切るなど、10月に入って支持率の低下傾向が続いている。
ネットニュース企業のメッセンジャーと調査会社ハリスXが10月10日に発表した2024年大統領選挙などに関する世論調査結果(注1)によると、バイデン大統領の支持率は39%と4割を下回る結果だった。リアルクリアポリティクスが発表する各種世論調査をまとめたバイデン大統領の支持率の平均値は、直近では9月30日の41.5%を境に、10月に入って下降傾向が続いている(10月9日は40.3%)。
同じ世論調査で、2024年大統領選挙が今日、ドナルド・トランプ前大統領とバイデン大統領との間で実施された場合、どちらに投票するかという問いに対して、トランプ氏との回答が45%と、バイデン氏(41%)をリードした。共和党予備選を想定した問いでは、トランプ氏に投票すると回答した割合が58%と、依然としてトップになっている。2位以下は、ロン・デサンティス・フロリダ州知事(14%)、実業家のビベク・ラマスワミ氏(7%)、ニッキー・ヘイリー元国連大使(6%)、マイク・ペンス前副大統領(3%)が続いた(注2)。
調査会社モーニング・コンサルトが10月に実施した世論調査(注3)でも、共和党予備選を想定した設問で、トランプ氏が61%と1位、2位以下はデサンティス氏(12%)、ラマスワミ氏(9%)、ヘイリー氏(6%)、ペンス氏(5%)という結果だった。トランプ氏とバイデン氏の直接対決を想定した問いでは、バイデン氏と回答した割合が43%と、トランプ氏(42%)をわずかに上回った。
10月に入って、緑の党から立候補していたコーネル・ウェスト氏、民主党から立候補していたロバート・ケネディ・ジュニア氏が相次いで無所属への転向を表明した(2023年10月11日記事参照)。また、第3政党グループの「ノーレーベルズ」が大統領候補を立てる動きもある。共和党、民主党ともに、これら独立系候補に票が流れることを危惧しており、今後の展開次第では選挙戦略の見直しを迫られる。
(注1)実施時期は10月4~7日、対象者は全米の登録有権者2,982人。
(注2)共和党支持者に絞った回答。
(注3)実施時期は10月6~8日、対象者は全米の登録有権者5,000人。
(松岡智恵子)
(米国)
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