ブラジル、WIPOグローバル・イノベーション指数で12年ぶり50位圏内に浮上
(ブラジル)
サンパウロ発
2023年10月12日
世界知的所有権機関(WIPO)は9月27日、グローバル・イノベーション・インデックス(GII)2023年版の報告書を発表した(注)。ブラジルは前年から順位を5つ上げ、初めてチリを抜いて中南米で1位となった。全世界では49位で、12年ぶりに50位圏内に浮上した。1位はスイス、2位はスウェーデン、3位は米国で、日本は13位となっている。ラテンアメリカ・カリブ地域では、最上位はブラジルで、チリ(52位)、メキシコ(58位)、ウルグアイ(63位)と続いた。
同インデックスでは、イノベーションの全体像を評価するため、「制度」「人的資本と研究」「インフラ」「市場の洗練度」「事業の洗練度」「知識、技術の産出」「イノベーション・アウトプット」の7つの評価項目で構成する約80の指標を設けている。そのうち、ブラジルは「インフラ」項目の中に位置づけられる「オンライン政府サービス」(14位)、「オンラインを活用した国民参加型行政(E-participation)の推進」(11位)の2指数の結果が特に上位だった。
ブラジル工業連盟(CNI)のロブソン・アンドラーデ会長は9月27日付CNI公式サイトで「近年、ブラジルのGIIランクは向上しているが、科学部門とビジネス部門の統合などが達成されれば、より大きなイノベーションを促進することができ、国内のエコシステムにはさらなる改善の余地が十分にある」と述べている。
(注)日本を含む132カ国・地域のイノベーションパフォーマンスをランク付けした年次報告書。WIPOのウェブサイトに掲載されている。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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