サウジアラビアで米ルシード・モータースが生産開始

(サウジアラビア、米国)

リヤド発

2023年10月02日

米国カリフォルニア州ニューアークに本社を構える高級電気自動車(EV)メーカー、ルシード・グループは9月27日、サウジアラビアのアブドゥッラー国王経済都市(KAEC)に、同国初となる乗用車製造施設を正式にオープン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社にとって米アリゾナ州内の工場に続く2番目の先進製造工場(AMP-2)で、初の国外工場となる。

AMP-2施設はサウジアラビア投資省(MISA)、サウジアラビア工業開発基金(SIDF)、KAECから多大な支援を受けており(関連カジノ ブラック ジャック)、経済多様化というサウジアラビアの戦略的目標を加速させる上で極めて重要な役割を果たすことが期待される。

AMP-2施設はセミノックダウン(SKD)組み立てによって当初は年間5,000台の生産能力を見込む。初期段階ではアリゾナ州カサグランデにあるAMP-1製造施設で事前に製造されたルシード・エアの車両キットを再組み立てする。2020年代半ば以降にはAMP-2を完成車生産(CBU)に移行し、年間15万台の生産能力を加えることを目指している。

ルシード・グループのピーター・ローリンソン最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)は「サウジアラビアがビジョン2030に向けてまい進する中、われわれの施設は同国のEV産業とサプライチェーンの拡大に道を開くものだ。サウジ政府の支援により、技術産業の地元人材育成を推進できることは誇りだ。サウジアラビアで組み立てられた自動車をサウジアラビア内外の顧客に届けることを楽しみにしている」と述べた。

AMP-2は技術革新と雇用創出の原動力となり、国内の才能を支援し、専門的な技術開発訓練を提供する。人材開発基金(HRDF)との合意により、ルシードは最初の数年間で数百人のサウジアラビア人を雇用し、最終的には数千人規模に成長させる予定だ。

また、ジッダ近郊という工場の戦略的立地は、新たに確立された国内サプライチェーンをさらに成長・拡大させる起爆剤として機能することも期待されている。将来、完成した高級EVを他の地域に輸出することももくろむ。

新工場の開所式典には、同社の最大株主サウジアラビア公共投資基金のヤセル・アール・ルマイヤン総裁や、ルシード・グループのトゥルキ・アルノワイザー取締役会長らが出席した。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、米国)

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