三菱重工がズータコアに出資、データセンター向けソリューションで協業へ

(イスラエル、日本)

テルアビブ発

2023年10月02日

三菱重工業は9月26日、サーバーの冷却に活用される「ダイレクトチップ液体冷却技術」を開発・提供するイスラエルのスタートアップ、ズータコア(ZutaCore外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に出資し、同社技術のホワイトラベル販売(注)を行う契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ズータコアが提供する「ダイレクトチップ液体冷却技術」は、サーバー内部の半導体チップ上のコールドプレートに絶縁性冷媒を二相式で循環させ、水を使用しないで冷却する革新的な技術だ。今回の出資・協業を通して、両社はこの技術を三菱重工の持つ既存ソリューションと組み合わせ、データセンターの抱える排熱効率の向上や省エネ、脱炭素化といった課題への対応を目指す。

三菱重工によると、世界的なデジタルトランスフォーメーションの進展や、生成AI(人工知能)利用の拡大により、今後、高性能サーバーを活用するデータセンターの電力消費量はさらに増大することが見込まれ、それに伴い、高効率な冷却システムへの需要も高まるという。今回の協業により、三菱重工はその需要に対応できる要素技術を獲得したかたちだ。

ズータコアはイスラエルに本社を置く、2016年設立のスタートアップで、「二相冷媒冷却」を用いたダイレクトチップ冷却ソリューションを開発・提供する。同社のソリューションは、インテルやAMDなどの主要半導体メーカーとも動作検証を行い、認証を受けている。

(注)ある企業が生産した製品やサービスを、他の企業が自社ブランドで販売すること。

(太田敏正)

(イスラエル、日本)

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