韓国、UAEとCEPA妥結、10年以内に主要品目の関税撤廃へ
(韓国、アラブ首長国連邦)
調査部中国北アジア課
2023年10月17日
韓国産業通商資源部は10月16日、アラブ首長国連邦(UAE)と14日に包括的経済連携協定(CEPA)の締結交渉が妥結したと発表した。中東諸国と自由貿易協定(FTA)を結ぶのは初めてで、韓国が締結する24番目のFTAとなる。今回のCEPAは、2021年10月に交渉を開始することで合意。2023年1月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がUAEを訪問した際に、CEPA締結の重要性を確認し、貿易投資の拡大や安定的なサプライチェーン構築について議論を重ねた(尹大統領がUAEを訪問、UAEは300億ドルを対韓トランプ)。
CEPA締結によって、両国は高い水準で市場開放する。具体的には、韓国とUAEは発効後10年以内に、品目数ベースでそれぞれ92.8%、91.2%の関税を撤廃する。CEPA締結の意義を巡って、産業通商資源部では、UAE向け主要輸出品目の自動車、自動車部品、電気・電子製品、合成樹脂などに対する関税が撤廃されるため、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など新エネルギー車市場で韓国企業が競争優位を築ける点を強調している。さらに、医療機器や化粧品のほか、牛肉、鶏肉、果物などの農畜産物やアワビ、サバなどの水産食品も韓国から輸出する際の関税が撤廃され、中東市場の開拓に貢献するとしている。
一方、UAEからの最大の輸入品目の原油について、現行で3%の韓国側の関税が10年以内に撤廃される。産業通商資源部では、UAE産原油の関税撤廃により、韓国の石油精製企業や石油製品を使用する産業全般の価格競争力が向上するとともに、安定的な原油供給源の確保につながるとしている。
同部関係者は「この協定はUAEに進出している韓国企業にとって有益だろう。エネルギー資源、バイオテクノロジー、先端技術産業などの分野で経済協力を強化し、両国関係がより発展することを願う」と述べた。
(益森有祐実)
(韓国、アラブ首長国連邦)
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