内閣改造、改革推進に向け体制強化
(タンザニア)
ナイロビ発
2023年09月06日
タンザニアのサミア・スルフ・ハッサン大統領は8月30日、内閣改造(注)を発表した。2021年3月にジョン・マグフリ前大統領が急逝し、当時副大統領だったサミア大統領が就任して以来、大小合わせれば9回目の内閣改造となる。今回、新規入閣は1人のみで、その他はポストのシャッフルだった。2025年に大統領選を控え、現在進めるさまざまな改革を一層推進させたい考えだ。
今回の改造でサミア大統領は、首相とともに政府内の調整役を担う副首相のポストを新たに設けた。副首相にはドト・ビテコ元鉱物資源相が任命され、エネルギー相も兼任する。また、現在進められている大型インフラプロジェクトで負担が増大する建設・交通省を、建設省と交通省に分割し、それぞれに閣僚を任命した。
外務・東アフリカ協力担当相には、ジャニュアリー・ユスフ・マカンバ元エネルギー相を任命した。同省には新たに、東アフリカ関係を担当する副大臣ポストと次官ポストも増やし、大幅に体制を強化した。東アフリカ共同体(EAC)でのタンザニアの一層のプレゼンス強化が狙いとされている。
サミア大統領は7月5日にも財務・計画省と投資・産業・貿易省を解体し、産業貿易省と大統領直轄の計画・投資を担当する新組織を立ち上げるなど、大統領主導による改革を進める体制を着々と整備している。非営利の調査団体「Afrobarometer」が7月28日に発表したタンザニアの世論調査によると、国の全体的な方向性について「誤った方向に進んでいる」は38.8%にとどまり、「正しい方向に進んでいる」との回答は全体の59.2%に及んだ。
(注)タンザニアは、タンガニーカ共和国(本土)とザンジバル(島しょ)が合邦してできた連合共和国で、連合共和政府は主に大統領、副大統領、首相、各閣僚、ザンジバル大統領で構成される。
(佐藤丈治)
(タンザニア)
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