ムハンマド皇太子が国際水機関の設立を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年09月06日

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(首相)は9月4日、国際水機関を設立し、本部を首都リヤドに設置することを発表した〔9月4日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

国際水機関は、世界の水を持続的に確保するために各国の政府や組織が行っている取り組みを統合し、強化することを目的に設立される。水に関連する専門知識の交換、技術向上やイノベーションの促進、研究開発の経験の共有などが計画されているほか、優先順位の高いプロジェクトの設立と資金提供を促し、水資源の持続可能性と全ての人々が水にアクセスできることを確保するとしている。

サウジアラビアは、同機関の設立により、世界的な水供給の課題に取り組むとしている。同国は長年、このような水問題に取り組み、水の生産や輸送、配給において成果を収めてきたという。同国は開発資金として、国際的な水・衛生プロジェクトに対して60億ドル以上の開発資金を割り当てるとしている。

また同機関では、水関連の課題に直面している国々や、国家的課題として水関連のプロジェクトに優先的に取り組んでいる国々とも協力し、水の安全保障に関連する持続可能な開発目標の達成に貢献するほか、国際社会を団結させ、長期的な影響を生み出すことを目指すとしている。

キング・サウード大学環境工学のサッタム・アルモジル助教授は、同機関の設立について「水部門に特化した多数の国際機関が存在しているが、それぞれが特定の分野や領域内において活動をしている。この分野のあらゆる側面に取り組む国際機関の存在が必要だ。それらの側面には、研究、イノベーション、技術開発、資金調達の促進、政策と規制の強化、その他の水の持続可能性に貢献する要素が含まれなければならない」と述べた(9月4日付「アラブ・ニュース」)。

今回の設立発表に際し、他国や他の国際機関との協力の有無などについて、サウジアラビア政府からは特に発表されていない。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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