ドイツの国際家電見本市「IFA 2023」、4年ぶりのフル開催

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2023年09月21日

ドイツの国際コンシューマー・エレクトロニクス展(IFA2023)が915日、ベルリンで開催された。出展者数は48カ国から2,059社、来場者数は138カ国から182,000人と、いずれも2022年開催時(出展者数1,100社以上、来場者数161,000人)を上回った。

カイ・ベーグナー・ベルリン市長は開会に先立つ記者会見で、「IFA2023は、新型コロナウイルス禍以降はじめて(渡航制限などの)制約を受けることなく、本格的に開催されることをうれしく思う」と述べた。

写真 IFA会場メッセ・ベルリンの入り口(ブラック クイーン ブラック ジャック撮影)

IFA会場メッセ・ベルリンの入り口(ジェトロ撮影)

2023年のIFAはイノベーションに焦点をあて、新たなフォーマットが複数展開された。たとえば、912日に開催されたIFAリーダーズ・サミットでは、持続可能性、循環型経済、人工知能(AI)、ロボティクスなどテック業界のトレンドについて、世界中のテクノロジー専門家が議論した。また、グリーンイノベーションやサステナビリティのソリューションを扱う「サステナビリティ・ビレッジ」、AIを活用した最新家庭用ロボットに触れる「ハウス・オブ・ロボット」が設けられた。

写真 サステナビリティ・ビレッジの様子(copyright IFA Management GmbH)

サステナビリティ・ビレッジの様子(copyright IFA Management GmbH)

次世代イノベーションの総合的な技術展示会であるIFA NEXTには約350のスタートアップが出展、専用ホールは韓国とフランスからの出展が目立った。9月4日に実施されたピッチ・コンテストでは、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)、デジタルヘルス、モビリティ、AIと機械学習、ホームエレクトロニクス、IoT(モノのインターネット)、スポーツテック、フレンチテックの8分野で行われ、59社のスタートアップが登壇。デジタルヘルスの分野では、ベルリン発のザ・ブラッド(theblood)がファイナリストとなった。同社は、血液検査で月経周期を分析するフェムテック企業だ。総合の優勝者は、フランス発の屋内用菜園のアグリテック企業、アーバンクイジーン(Urban Cuisine)だった。コンテスト後には、スタートアップ企業を投資家につなげるネットワーキングイベント「Deals over Drinks」が行われた。

写真 IFA Nextピッチ・コンテストの様子(ブラック クイーン ブラック ジャック撮影)

IFA Nextピッチ・コンテストの様子(ジェトロ撮影)

日本からは、mui Lab(天然木のタッチパネルディスプレイ)、プレシードジャパン(ワイヤレス)、芝浦工業大学(「City as a Serviceを実現するブラック クイーン ブラック ジャックネットワーク基盤」をテーマとした研究成果)、abien(極薄ホットプレート)、クリエイティブトレーディング(半導体分野の技術を活用した空気清浄機など)、ポケトーク(AI通訳機)、ヤマハ、パナソニック、などが出展した。

IFAは1924年から開催されており、2024年には100周年を迎える。次回のIFA2024は、2024年9月6~10日に開催の予定。

(ダービット・インメ、中村容子)

(ドイツ、日本)

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