中国の李強首相がG20に出席、バイデン米大統領と「簡単な交流」

(中国、米国、イタリア、EU、英国)

北京発

2023年09月12日

中国の李強首相はインドを訪問し、9月9~10日(現地時間)にG20ニューデリー・サミットに出席した。「1つの地球」をテーマとするセッション1および「1つの未来」をテーマとするセッション3(注)で発言を行った。

李首相はセッション1で、今回のサミットのテーマは、習近平国家主席の提唱する「人類運命共同体」という理念に「高度に一致」するものだとした。その上で、G20加盟国は経済のグローバル化を進め、多角的貿易体制を支持し、経済問題の人為的な政治化に反対し、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定を共に維持すべきだとした。また、中国で10月に開催される第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラム、11月に開催される第6回中国国際輸入博覧会への参加を呼びかけた。

セッション3では、「発展に関する問題が最も差し迫ったものだ」として、発展に関する問題をマクロ経済政策協調の中心とし、さらに実務的な協力メカニズムを構築すべきだとして、開発途上国の貧困削減、資金調達、気候変動、食糧・エネルギー安全保障などの課題対応に協力すべきだとした。

李首相は、同サミットへの出席に合わせ、9日にはイタリアのジョルジャ・メローニ首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、10日には英国のリシ・スナク首相、欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長と会談を行った。

中国の外交部は9月11日の定例記者会見で、李首相はG20期間中に米国のジョー・バイデン大統領を含む各国の指導者と「簡単な交流」を行ったとした。李首相はバイデン大統領に対して、中国の発展は米国にとって試練ではなくチャンスであり、両国は交流を強化すべきだと強調した。これに対してバイデン大統領は、米国は中国の成長を願っており、その経済発展を妨げることはないと述べたとされる。

また外交部は、今回の同サミット出席の成果について、李首相は中国のG20の協力に関する見方と主張を全面的に述べ、それぞれが団結し協力するという初心を堅持し、平和と発展という時代への責任を担い、グローバル経済の回復、開放・協力、持続的発展を推進するパートナーとなることを提唱したと評した。

(注)今回のサミットは、「1つの地球、1つの家族、1つの未来(One Earth, One Family, One Future)」というテーマで議論が行われた。

(河野円洋)

(中国、米国、イタリア、EU、英国)

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