ホーチミン国際旅行展(ITE HCMC 2023)が開催、訪日客のさらなる拡大に期待

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年09月25日

ベトナム南部ホーチミン市で979日、ホーチミン国際旅行展(ITE HCMC 2023)が開催された。同展示会は、国内の業界関係者が出展するほか、ブラック ジャック ランキングバイヤーを招聘(しょうへい)するベトナムで唯一の旅行をテーマにした国際展示会だ。主催者によると、会期中は42カ国・地域から199人のバイヤーが参加し、9,025件を超える商談が行われた。

初日と2日目は業界関係者向けに開催され、旅行代理店やメディア関係者などが来場し、出展者と商談やインタビューを行う姿が見られた。3日目は一般来場者向けで、3日間の来場者数は25,000人を超えたという。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

展示会場には、日本のほか、韓国、台湾、タイなどアジア・オセアニア諸国・地域を中心とするパビリオンが立ち並び、出展企業や団体が旅行客の誘致を行った。日本からは、日本政府観光局(JNTO)がブースを出展し、パンフレットやノベルティーグッズの配布、浴衣着付け体験など、訪日意欲を高めるための観光コンテンツを発信した。

写真 JNTOが運営するブースの様子(ジェトロ撮影)

JNTOが運営するブースの様子(ジェトロ撮影)

JNTOは、ブース出展のほか、「新型コロナウイルス禍後の、日本の観光マーケティング戦略」をテーマに、業界関係者を対象とした講演を行った。講演では、JNTOハノイ事務所の内田周佑次長が、日本の観光政策や地方を含めた訪日旅行の魅力などを解説した。

内田次長によると、ベトナム人は訪日旅行時にビザの取得が必要で、旅行会社を通じた訪日旅行の予約を行う割合が高い。地方を含む訪日旅行商品の開発・販売を促すために、現地旅行会社の企画担当者に日本を深く知ってもらうためのセミナーや日本への招聘が重要となるという。さらに、ベトナム人の関心の高い観光コンテンツは食・酒やショッピングと指摘した上で、内田次長は「日本でのベトナム人の1人当たりの平均旅行支出額は、17万7,066円に上る。食と観光は密接な関係にあり、日本食をきっかけに日本旅行に行く人も多い」と話した(ジェトロによるヒアリング、9月7日)。

写真 講演の様子(JNTOハノイ事務所提供)

講演の様子(JNTOハノイ事務所提供)

JNTOの統計によると、ベトナムから日本への2019年の訪日外客数は49万5,051人に達し、過去最高となった(注)。新型コロナウイルス流行時に落ち込んだものの、2023年上半期の訪日外客数は、2019年上半期を上回る回復を見せており(2023年上半期のASEAN主要6カ国の訪日外客数、ブラック)、ベトナムからの訪日客のさらなる拡大が期待される。

(注)2019年の訪日ベトナム人のうち、観光客は17万3,936人、商用客は3万9,615人、その他客(観光、商用目的を除く)は28万1,500人となる。ベトナムからは留学、技能実習生を含むその他客の割合が多い点に留意が必要。

(児玉良平)

(ベトナム)

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