東南アジア最大級の水産物見本市「シーフード・エキスポ・アジア」、日本企業10社参加
(シンガポール)
シンガポール発
2023年09月25日
東南アジア最大級の水産物・水産加工品見本市「シーフード・エキスポ・アジア」が9月11~13日、シンガポールのサンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催され、10社の日本企業・団体が出展した。主催者の報告によると、37カ国・地域から283社・団体が出展。27カ国・地域のパビリオンが設置された。前年から展示面積が拡大し、2024年はさらなる規模拡大を予定している。
日本養殖魚類輸出推進協会のブースでは、ブリの解体や調理実演時の試食提供に多くの人が足を止めた。同じく日本ほたて貝輸出振興協会が行った試食提供もにぎわいを見せていた。
ジェトロは日本の出展者や出展ブースを訪問したバイヤーに聞き取り調査を実施。バイヤーの多くは「日本産水産物の安全性を心配していない」と述べた。また、出展者のA社は、来場者の反応について「想像していたよりも来場者からの(東京電力福島第1原子力発電所の)ALPS処理水放出に関する質問は少なく、あまり影響を感じなかった」と指摘した。一方、別の出展者からは、「ブース訪問者の3~4割から日本産水産物の安全性について質問を受けたが、しっかりと説明した」(B社)、「試食を提供したところ、日本産だと知って避ける来場者がいた」(C社)という事例も聞かれた。
シンガポール政府、科学的根拠に基づいた検査方針をあらためて表明
シンガポール食品庁は9月3日のプレスリリースで、北米大手メディアが「シンガポールが放射能汚染された日本産野菜のサンプルを見つけた」とする誤報を正すため、「同メディアの報道は2011年時点の発表を基にしている」とし、近ごろそのような事例は見つかっていないことを明らかにした。併せて、食品輸入に関して「従来どおり科学的根拠にのっとった検査を行なっている」ことをあらためて表明した。
(青沼秀人)
(シンガポール)
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