マドゥロ大統領が訪中、共同宣言にベネズエラのBRICS加盟支持、処理水放出反対を盛り込む
(ベネズエラ)
ボゴタ発
2023年09月15日
ベネズエラ外務省は9月14日、中国とベネズエラの両国首脳会談に伴う共同声明で、ベネズエラのBRICS加盟支持、「一帯一路」など各種協力事業の推進に合意したほか、両国が日本のALPS処理水放出に反対する旨を共同声明に盛り込んでいる。マドゥロ大統領は9月8日から14日までの日程で訪中し、習近平国家主席と首脳会談を行った。
同共同宣言は30項目から成り、外国勢力による内政干渉や経済制裁への拒絶、「一帯一路」関連などプロジェクト推進、ベネズエラのBRICS加盟申請の表明とそれに対する中国の支持、ベネズエラが創設する経済特区への支援、宇宙分野での協力など多岐にわたる。第27項では、「双方はラテンアメリカおよびカリブ海地域を非核兵器地帯とすることを支持し、日本による核廃棄物で汚染された水の放出に反対した」と記載されている。
9月14日付現地紙「エル・ウニベルサル」は、両国が締結した31協定の中に、ベネズエラの対中水産品輸出議定書を取り上げ、マドゥロ大統領が「ベネズエラの海から多種の魚を中国へ輸出する議定書に署名できた。汚染されていない健全な海だから健全な魚だ」とコメントしたと報じている。
米国から経済制裁を受ける中、エネルギー、農業、インフラ、通信分野など、中国がベネズエラ国内で推進するプロジェクトは数多い。また、BRICS加入を目指すベネズエラにとって中国の支持は不可欠となっており、マドゥロ政権にとって今回の訪中は一定の成果を上げたようだ。
(豊田哲也)
(ベネズエラ)
ビジネス短信 50300f4545f6e4d6