欧州委のベスタエアー執行副委員長(デジタル化・競争政策)が休職、EIB総裁選に立候補へ

(EU)

ブリュッセル発

2023年09月11日

欧州委員会は95日、マルグレーテ・ベスタエアー執行副委員長(欧州デジタル化対応総括、競争政策担当)の休職を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ベスタエアー執行副委員長はデンマークからの指名を受け、EUの融資部門である欧州投資銀行(EIB)の総裁選に立候補しており、選挙に向けた活動に専念するためとしている。

ベスタエアー執行副委員長の休職中は、ベラ・ヨウロバ副委員長(価値・透明性担当)が欧州デジタル化対応総括を、ディディエ・レンデルス委員(法務・法の支配担当)が競争政策をそれぞれ担当する。また、ベスタエアー執行副委員長がマリヤ・ガブリエル委員(当時)の辞任(2023年5月17日記事2023年6月20日記事参照)に伴って暫定的に担当していたイノベーション分野については、後任が任命されるまでの間、マルガリティス・スキナス副委員長(欧州生活様式推進担当)が担当する。

EIBの総裁選は、今後数週間のうちに実施されるとみられる。現地報道によると、今回の総裁選には、ベスタエアー執行副委員長のほかに、イタリア、スペイン、ポーランド、スウェーデンも候補を擁立している。総裁はEU加盟国によって選出され、任期は202411日から6年間となる。

欧州委では、現体制の任期が202410月末までと残り1年ほどとなり、欧州議会選挙も20246月に控えていることから、ここにきて2024年以降を見据えた動きが目立ってきている。ブルガリアでの組閣に向けて辞任した前述のガブリエル委員(当時)に続き、フランス・ティーマーマンス執行副委員長(当時)がオランダでの総選挙に立候補するために20238月に辞任している(2023年8月24日記事参照)。

(吉沼啓介)

(EU)

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