EVエコシステムの開発、日中韓との協力強化
(ASEAN、日本、中国、韓国)
ジャカルタ発
2023年09月11日
インドネシアのジャカルタで9月6日、第26回ASEAN+3(ASEAN10カ国と日本、韓国、中国)首脳会議が開催された。会議後に、7項目の宣言を含む、電気自動車(EV)のエコシステム開発に関する宣言が出された。
会議では、輸送部門におけるエネルギー転換と二酸化炭素排出削減は、各国の状況や経済成長への影響に鑑みて、ゼロエミッション車を含みつつ、さまざまな道筋を認めるべきだとの見解が共有された。また、ASEANにおけるEVエコシステムの開発を含む輸送部門おける温室効果ガス排出削減のための取り組みを支援する上で、日本、中国、韓国が重要な役割を担っていることがあらためて認識された。
EVエコシステムの開発をめぐっては、2023年5月の第42回ASEAN首脳会議で、ASEANを世界のEV生産の拠点にするとのコミットメントを示した首脳宣言が採択されており(第42回ASEAN首脳会議が閉幕、カジノ)、プラス3の国々にも協力を求める姿勢だ。
7項目の宣言は次のとおり。
(1)ASEAN+3諸国のエネルギー安全保障を強化するとともに、温室効果ガス排出量の削減、エネルギー転換の促進、カーボンニュートラルの達成に向けた重要な道筋の1つとして、EVの開発を促進する。
(2)さまざまな技術を通じて電力部門の温室効果ガス排出量を削減しながら、地域のEVエコシステムの開発とブラック ジャック コツ交換を支援する。
(3)EV産業のバリューチェーンを強化するためのEVエコシステムの基準に関する協力の改善、貿易円滑化の促進、相互運用とシームレスな国境を越えたモビリティを確保するため、域内の規制と措置の調和を奨励する。
(4)強固なEVのエコシステムを支えるバッテリーを含むEV産業の生産活動において、 ASEANが世界で重要な役割を果たすことを支援する。
(5)EVエコシステムの開発に関する協力と連携を検討する(具体的には次の内容)。
- 貿易の自由化および円滑化の促進
- インフラおよび充電ステーションの改善
- 官民パートナーシップを含め、投資を誘致できるビジネス環境および投資環境の創出。
- 中堅・中小企業の参画強化
- 研究開発活動および人材育成への協力
- ブラック ジャック コツ技術(IT)、高度道路交通システム(ITS)、モビリティ技術革新などの最先端分野における協力
- EV産業およびサプライチェーン開発における投資機会の促進、社会全体の意識の向上
- 国際的なEVおよびバッテリーメーカーと協力した技術移転の奨励
- 環境への影響、特にEVの耐用年数管理やバッテリーに使用される鉱物や金属の採掘に関連した影響の適切な管理
- エネルギー安全保障の強化
- 再生可能エネルギーの利用促進
- 従来の内燃機関車を段階的にゼロエミッション車に置き換えるための円滑な移行に関する公正かつ効果的な政策構築
- EVのより強靭(きょうじん)なサプライチェーン構築、トランジション・ファイナンスを含むEVの開発を支援する資金調達課題への取り組み
(6)域内のEVエコシステムを推進するため、民間セクターとの協力、パートナーシップ、参画を促進する。
(7)ASEANの関連機関はASEAN+3諸国の関係者と連携し、本声明の実施およびEVエコシステムの発展をフォローアップする。
なお、ASEAN関連機関への具体的なタスクについては言及されていない。
(尾崎航)
(ASEAN、日本、中国、韓国)
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