PIFがサウジアラビア観光投資会社の設立を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年08月03日

サウジアラビアの公的投資基金(PIF)は727日、観光分野の成長を支援するため、サウジアラビア観光投資会社(Saudi Tourism Investment Company: Asfar)の設立を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は、サウジアラビア全土の各都市で観光プロジェクトや観光地への投資に注力するという。ホスピタリティーや観光名所を提供する魅力的な観光地として開発するほか、共同投資を通じて、サウジアラビアのサプライヤーや請負業者、中小企業のビジネスを活性化させる。現地の観光バリューチェーンの構築も進め、2030年までに国内外から年間1億人の観光客を誘致するという国家目標(NATIONAL TOURISM STRATEGY外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に貢献するという。

サウジアラビアは近年、アジア、アフリカ、欧州の3大陸の間に位置する地理的優位性と、各都市の競争力を活用して、「ビジョン2030」の優先分野の観光業に注力してきた。2019年に観光電子ビザ(e-Visa)を導入し(2019年10月1日記事参照)、2020年には観光開発基金(Tourism Development Fund外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を立ち上げ、約40億ドルの投資を実施する意向を示している。

PIFは既に観光分野の投資・開発を目的とする企業を複数所有している。紅海沿いのリゾートのレッド・シー・グローバル(Red Sea Global外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や、巨大エンターテインメントシティーのキディヤ(Qiddiya外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、リヤドの歴史的なエリアの再開発のディライーヤ・カンパニー(Diriyah Company外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が代表的な例だ。そのほかにも、アシール・インベストメント・カンパニー(Aseer Investment Company)やサウジ・ダウンタウン・カンパニー(Saudi Downtown Company外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、ブティック(BOUTIQUE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、セブン〔Saudi Entertainment Ventures (Seven)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕など、さまざまな事業会社を傘下に置いている。

今回、観光投資会社を新たに設立することで、観光分野の民間企業との戦略的パートナーシップの機会を強化し、雇用の創出と地域経済の収入源の多様化というPIFの戦略を実現していくことが見込まれる。

(位田陸)

(サウジアラビア)

ビジネス短信 d4ff9cb761eefb6e