8月から紙のレシート発行を原則禁止

(フランス)

パリ発

2023年08月02日

フランスで8月1日から、店舗などでの紙レシートの発行が禁止された。顧客から要望があった場合には、事業者は紙のレシートを発行しなくてはならない。同措置(政府のQ&Aページ参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、フランス語)は、2020年2月施行の循環経済法で2023年1月施行と定められていたが、4月に延期された後、インフレを理由に再度延期となり、最終的に8月からの施行となった。

対象となるのは、紙で発行される店舗などのレジのレシート、クレジットカード決済時のレシート、ATMや自動販売機のレシート、買い物客全員に配布する販促のためのバウチャーや割引券。店舗は「顧客の要望があった場合にのみ、紙のレシートを発行する」ことをレジなど支払い場所に明示しなければならない。紙レシートに代わるSMS、メール、QRコードなどによる電子レシートの発行は任意となっている。

例外として、家電製品や電話、パソコンなど保証期間が記載されているレシート、野菜や果物の量り売り時に発行されるレシート、クレジットカードの支払い取引でキャンセルなどの対象となったレシート、製品やサービスを享受するために保持や提示が必要な自動販売機が発行するチケットなどは紙での発行を引き続き認める。

同措置は国内で年間300億枚発行されているレシートの廃棄物削減と、有害化学物質に対する暴露のリスク削減を目的にしている。政府によると、紙レシートの90%がビスフェノールAなどの内分泌かく乱物質を含んでいる。

調査会社オピニオンウェイ(OpinionWay)が食品小売り大手が加盟する業界団体ペリフェム(Perifem)のため、1,063人の消費者を対象に2023年2月15~16日に実施したアンケート調査によると、73%がレジの紙レシート廃止に賛成、69%がクレジットカード決済時の紙レシート廃止に賛成と答えた。

他方、消費者団体のク・ショワジールは、紙のレシートがないと会計の間違いが発見できないことや、家計簿をつけるのに必要、購入したことを証明できず返品・交換に困る、電子レシートは個人ブラック ジャック ストラテジーが他の目的に使用される可能性があることなどを理由に、紙レシート廃止に反対意見を表明していた。

店舗は電子レシートを発行する場合、個人ブラック ジャック ストラテジー取り扱いの責任者を明示し、個人ブラック ジャック ストラテジーの利用について顧客の了解を得るなど、個人ブラック ジャック ストラテジーの処理について顧客に知らせる必要がある。

プラットフォームサービスのトゥイリオ(Twilio)が市場調査会社オピネア(Opinea)と共同で2022年3月に182事業者を対象に実施したアンケート調査では、電子レシートを発行する店舗は10%にとどまっている。

(奥山直子)

(フランス)

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