セガ、フィンランドのゲーム企業を買収、同国ゲーム産業は好調

(フィンランド、日本)

ロンドン発

2023年08月22日

セガサミーホールディングスは810日、英国子会社セガヨーロッパを通じ、モバイルゲーム「アングリーバード」を手掛けるフィンランドのロビオ・エンターテインメントをグループ会社化することを発表。セガサミーホールディングスはこの買収について、417日に株式公開買い付け(TOB)を通じて実施する方針を示していた。

87日にTOB期間は満了、810日に結果の確定値を公表し、発行済み株式総数の約96.3%を取得することを明らかにした。

同社が4月に発表した買収計画では、今回の買収により、運営型モバイルゲームの開発能力と運営ノウハウを獲得、グループ会社セガが有する知的財産(IP)を活用し、グローバル展開を加速するとしている。

フィンランドのゲーム産業、PC向けも拡大

フィンランドのゲーム産業の業界団体ネオゲームスが2023年5月に発表した報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同国のゲーム産業の2021年の総売り上げは32億ユーロと、初めて30億ユーロを突破、2022年も引き続き好調で、約32億ユーロとなる見通しとしている。また、2022年末時点で活動しているスタジオ数は232カ所と、2020年末の200から増加し、2016年以降の減少トレンドから復調したとしている。雇用者数も2022年末時点で4,100人規模、2020年末から約500人増加している。一方で、新たに発表したゲーム数については、2019年、2020年から半減し、50弱となっている。ネオゲームスはこの背景について、顧客獲得に掛かるコスト増、競争の激化などを挙げ、フィンランドのゲーム業界が新たなゲームよりも既存のゲームの開発・改善に注力しているとした。また、従来のモバイルゲームに加え、PC向けのゲームについても、開発を行う企業が増えているとした。

ネオゲームスはこのほか、直近の主なゲーム産業の買収案件として、2021年のソニーによる家庭用ゲーム機やPC向けゲームの開発企業ハウスマルケの買収、イスラエルのプレイティカによるモバイルゲーム開発企業リワークスの買収を挙げた。2022年については、米国ネットフリックスがヒット番組「ストレンジャー・シングス」を題材にしたモバイルゲームを開発するネクスト・ゲームズを買収した案件を挙げた。

(半井麻美、松丸晴香)

(フィンランド、日本)

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