ASEANデジタル経済枠組み協定（DEFA）は9月交渉開始の見通し

タイ商務省貿易交渉局（DTN）は7月24日、インドネシアのスラバヤで7月11日から16日にかけて実施されたASEAN高級経済実務者会合（SEOM）の結果を公表した。同会合において、ASEANのデジタル経済枠組み協定（DEFA）に関する研究結果を2023年9月のASEAN首脳会議で提案し、DEFAの成立に向けた交渉開始と交渉範囲の発表を行うことで合意した。DEFAによって、ASEAN域内におけるデジタル貿易のルール・規則を調和させ、域内の電子商取引（EC）市場を2020年の1,050億ドルから2025年に3,000億ドルへ拡大させる一助とする。

今回のSEOMでは、ASEAN域内にイノベーション主導型経済、低炭素型投資、雇用拡大の潜在的な機会を創出する「カーボンニュートラルに向けたASEAN戦略」が合意された。また、2050年までにASEANを世界4位の経済ブロックとするための「ASEAN基本プロジェクト」を支援する実施枠組みの確立について、ASEAN経済大臣声明に盛り込むことが承認された。

ASEAN経済統合にかかる進捗として、ASEANシングルウィンドウ（ASW）を通じた電子フォームD交換の完全実施、共通法人登録番号のガイドライン策定、ASEAN自然人移動協定の改正議定書の署名の準備などの状況が確認された。

（北見創、シリンポーン・パックピンペット）