シエラレオネ大統領選、現職のビオ氏が再選

(シエラレオネ)

アクラ発

2023年07月04日

6月24日に実施されたシエラレオネ大統領選挙について、選挙管理委員会は6月27日、現職でシエラレオネ人民党(SLPP: Sierra Leone People’s Party)の党首、ジュリウス・マーダ・ビオ大統領が2期目の再選を果たしたと発表した。投票総数は約280万票で、投票率は83%だった。得票率は、与党のSLPPが56.17%、最大野党の全人民会議(APC: All People’s Congress)が41.16%だった。SLPPが大統領選挙の勝利に必要とされる55%の得票率を超えたため、決選投票は実施されず、選挙結果は現職のビオ大統領の再選となった。野党を率いる元外務・国際協力相のサムラ・カマラ氏は、前回2018年の大統領選でも現職に敗れている。

カマラ氏はSNS上で選挙結果の信頼性に異議を唱えていたが、その後、発言は削除されている。一方、米国、英国、アイルランド、ドイツ、フランスおよびEUは6月28日に共同声明を発表し、集計プロセスの透明性の欠如について国内外の選挙監視団が懸念を示しているとした。一部地域で、選挙当日の投票が物流上の課題により妨げられたとしている。

ビオ大統領は「新たな方向性:利益の確定と変革の加速(New Direction)」政策を掲げ、2018年の就任以来の政策課題に引き続き取り組むことを表明している。重点分野として、農業生産性の向上を通じた食料安全保障や若者の雇用促進、インフラの整備を掲げている。具体的には、国産米の競争力強化策の立案や農業分野の予算配分の引き上げのほか、Eコマースの促進に向け、国内全土にデジタル技術を活用した新たな住所制度を整備することが触れられている。

(アチェンポン・フランク)

(シエラレオネ)

ビジネス短信 f6c534856b4c9e6a