イノプロム2023が開催、「技術主権」に自信と課題
(ロシア)
調査部欧州課
2023年07月20日
ロシア中部の工業都市エカテリンブルクで7月10日から13日、イノプロム2023が開催された。2010年の初回開催から13回目となり、出展企業数は700社以上と過去最多だった。
今回のパートナーカントリーのベラルーシのほか、ロシア近隣国がナショナルパビリオンを設置した。ロシアの地方政府が出展するブースの数は直近で比較可能なデータがある2021年の18から25に増加した。その一方で、2021年まで大きな存在感を示していた欧米や日本、韓国企業のブースは見られなかった。
ナショナルパビリオン設置国はベラルーシ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アルメニア、中国の7カ国。中国は一定数の出展はあったものの、国名を書いた看板や目立つ装飾もなく、露出が比較的少ない出展だった。他方で、隔年でイノプロムと併催される「ロシア・中国エキスポ」も行われ、約400社の中国企業が機械・設備、食品、雑貨など幅広い品目を出展した。
ロシアの出展企業からは、西側企業がロシア向けの製品供給を停止したことからロシアのユーザーへの納入が増えているとして、輸入代替への対応に自信を示す声が聞かれた。その一方で、インポーターからは、並行輸入を通じていまだに西側諸国製品に対する需要は根強いとの指摘もあった。
展示会と並行して行われた各種ブラック ジャック ディーラー ルールプログラムでも同様の声が聞かれた。ロシア国内メーカーが国産品による「技術主権」(注)の確立に自信を示す一方、ユーザーやディストリビューターは輸入代替を意識するあまり、高コスト、あるいは仕様に合致しない製品を選択せざるを得なくなることへの懸念が示された。また、西側企業に比べて、ロシア企業には品質・経営管理に問題があり、友好国からの調達や並行輸入を含む第三国経由の調達にも注力すべきとの意見も見られた。
(注)世界的なサプライチェーンからの切り離しなどで、ロシア国内での生産が停止したことなどを背景に、特に西側諸国を中心とした外国からの技術や部品供給に頼らない独自の開発やサプライチェーンの構築を目指す動き。
(欧州課)
(ロシア)
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