司法改革法案が可決、野党は採決をボイコット

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年07月26日

イスラエルの国会に相当するクネセトは7月24日、司法改革の一環として、政治家の議決の妥当性を最高裁判所が審議することを阻止する法案を第二読会と第三読会で審議し、法案は可決された。採決に先立ち、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる連立政権は、野党が提案した留保案を全て否決した。野党議員は採決をボイコットすることを決定し、投票前に本会議場から退出したため、第三読会では64対0で可決された。

法案可決を受けて、ネタニヤフ首相は声明を発表し、「われわれは必要な民主的一歩を踏み出した」「われわれは、選挙で選ばれた政府が、国民の大多数の意思に従って政策を導くことができるよう、合理性基準の改正案を可決した」と主張した。さらに、「数日中に、連立政権は野党との対話を進めるために、野党に働きかけを行い、クネセトの休会期間中に行われる協議で話し合い、包括的な合意に達する用意がある」と述べた。

一方、野党「イェシュ・アティド」党首で前首相のヤイル・ラピッド氏は、この法律に反対する請願書を最高裁判所に提出する意向を示した。ラピッド党首は「イスラエル国家の民主主義的性格の一方的な破棄と、クネセトの憲法・法律・司法委員会での議論が反民主的で略奪的な性格を持つものだったことに対して、われわれは最高裁判所に請願する」と述べた(「ジューイッシュ・ニュース・シンディケート」7月24日)。

エルサレムでは、7月24日の採決が始まる前から反対派が抗議行動を起こしていたが、法案が可決された後、数千人がイスラエル全土で終日抗議行動を行った。また、イスラエル医師会は、この採決を受けてゼネストを7月25日に実施すると発表していた(「タイムズ・オブ・イスラエル」紙7月24日)。

(中溝丘、ガブリエル・ホドス)

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