ホーチミンで工作機械展示会「MTA Vietnam2023」開催

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2023年07月18日

ベトナム南部ホーチミン市で747日、工作機械展示会「MTA Vietnam2023」が開催された。20カ国・地域から405社が出展し、来場者数は4日間で14,000人を超えた。

MTA Vietnam2005年に初開催され、産業機械の周辺機器や測定機器、各種加工部品などを取り扱う企業が出展する国内で最大規模の展示会だ。今回は高精度3Dプリント技術やIoT(モノのインターネット)技術を活用した機械、工場自動化(FA)機器、産業用ロボットなどのデモ機が数多く展示され、省エネ、自動化・省人化といったトレンドが見られた。

台湾や韓国、ドイツ、シンガポールなど12カ国・地域がナショナルパビリオンを設置した。日系企業の出展は、ジェトロが主催者ウェブサイトで確認できた限り、13社だった。

出展した日系企業からは、「この展示会を通じて、現地企業との商談を行うことができ、新規顧客を見つける良い機会となった」「他の展示会と比較し、来場者数も多く、今後は既存の日系企業との取引だけでなく、今回の展示会でコンタクトのあったベトナム企業もターゲットにして販路を拡大していきたい」といった前向きな声が聞かれた(ジェトロによるヒアリング77日)。

さらに、ベトナム市場における自動化・省人化への関心の高まりについて、出展した日系企業は「FA機器の導入については、従来の日系や外資系企業だけではなく、現地企業からも要望が徐々に増えており、ベトナム企業の購買力も高まってきている」と期待を寄せた。一方で「ベトナム企業からの引き合いは、最新モデルから1ランクレベルを落とした中級モデルが多く、価格面での課題が残る。また、自動化設備の一部のみを導入したいという要望が多く、工程の一部は人海戦術で解決しようという意図がみられる」とのコメントがあった。ベトナムより人件費が高いタイ(注)との比較でも、「FA機器の需要や導入具合では、感覚として3年ほどの遅れがある」(金属加工機械メーカー)といった声が聞かれた。

そのほか、ベトナム企業の日本ブランドへの信頼感は高く、高価格・高品質といったイメージを持たれている一方で、大型のブースやナショナルパビリオンを出展していた台湾や韓国の企業の存在感が大きく感じたといった日系企業の声も出ていた。

写真 展示会の様子(21 トランプ撮影)

展示会の様子(ジェトロ撮影)

(注)2022年度 21 トランプ進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)によると、進出日系企業の製造業作業員の月額基本給の平均は、タイが385ドルに対し、ベトナムは277ドル。

(児玉良平、三木貴博)

(ベトナム、日本)

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