2030年までの温室効果ガス削減目標、2度目の引き上げで40%に

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年07月13日

アラブ首長国連邦(UAE)は、気候変動への取り組みに関する「パリ協定」(注1)へのコミットメントとして定めた2030年までの温室効果ガス(GHG)排出削減目標を、2022年9月に定めた31%から、40%へ引き上げると発表した。7月11日付でエミレーツ国営通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど地元各紙が報じている。

UAEのGHG排出削減目標は、2020年12月にUAEが発表した2度目の「国が決定する貢献(NDC)」(注2)の中で、2030年までのGHGの削減目標を国内の自助努力で23.5%と設定されたが、2022年9月に当初目標から7.5ポイント引き上げるかたちで見直しが行われた(関連ブラック ジャック ブラック)。今回で3回目のNDC発表となり、2度目のGHG排出目標引き上げとなる。

UAE政府は、グリーン政策に対して積極的に取り組んでいる。2050年までのGHG排出量ネットゼロ(いわゆる「カーボン・ニュートラル」)達成を見据えているほか、2023年11月には、ドバイで開催予定の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)を控えている。7月3日には、2017年に発表した「UAEエネルギー戦略2050」を改定し、2030年までの中間目標を定めた。また、同時に「国家水素戦略」を策定し、2031年までに年間140万トンの水素製造を目指すと発表するなど、COP28を見据えて脱炭素への取り組みをさらに加速させている。

(注1)2015年12月の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で署名された、2020年以降の温室効果ガス排出削減などの気候変動抑制に関する多国間協定。

(注2)Nationally Determined Contribution。気候変動対策を実施しなかった場合のBAU(Business As Usual)シナリオと比べてのGHG削減目標。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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