政府、2030年までのドローン発展戦略を策定
(ロシア)
調査部欧州課
2023年07月10日
ロシア連邦政府は6月21日、2030年までの無人航空機(ドローン)発展戦略を承認した(政府指示第1630-r号)。世界的に競争力を持つドローンの開発、生産、運用環境を創設し、ドローンを活用した無人輸送、地理空間ブラック ジャック トランプ やり方取得やそれらの分析などのサービスを提供していくことを目的とする。
戦略では、市場の創出、ドローンおよび部品開発・製造の標準化、関連インフラ整備、人材育成などを主な方向性とし、それらの実現に向けた諸施策の大枠が定められた。現時点でのロシアのGDPに占めるドローン産業は0.1%以下と、産業としては極めて小規模だ。ロシア政府が提唱する「技術主権」(注1)確保の観点から、軍需関連企業のノウハウの民間への移転を行い、生産を強化していく方向だ。
当面の目標として、a.2030年までに訓練用を含めドローンおよび関連市場を100万台(注2)規模にすること、b.ロシア国内市場での国産ドローンのシェア引き上げ(全体で70%以上、国家調達分は80%以上)、c.15万台以上の国産ドローンおよび関連システムの生産体制の確立、d.110万人の関連人材の育成、などを定めた。
関係者からは、目標達成のためには相当の資金が必要との見方が出ている。ドローンのシステム開発企業クルシールのビタリー・ムニロフ最高経営責任者(CEO)は、製造発注、補助金、研究開発資金の拠出などに向けた政府の支援は、毎年、数百億ルーブル(1ルーブル=約1.6円)、2030年には数千億ルーブルが必要となると推定している(ベドモスチ2023年6月28日)。
ロシア政府はドローン関連開発に力を入れている。2023年5月にスコルコボで開催されたスタートアップ・ビレッジの主要テーマの1つでもあった(2023年6月8日記事参照)。本発展戦略は、プーチン大統領による2022年12月30日付の一連の指示に基づくもので、今後2023年9月1日までに「2030年までのドローン発展国家プロジェクト」が策定される予定だ。
(注1)世界的なサプライチェーンからの切り離しなどでロシア国内での生産が停止したことなどを背景に、外国(特に西側諸国)からの技術や部品供給に頼らない独自の開発やサプライチェーンの構築を目指す動き。
(注2)輸入品を含む。
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