日・UAE首脳会談、脱炭素・気候変動対策での協力強化を表明

(日本、アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年07月19日

岸田文雄首相は7月16日から18日にかけて、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールを訪問した。UAEには17~18日の日程で訪れ、17日にはUAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と首脳会談を実施した(7月17日付外務省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

首脳会談の冒頭では、岸田首相は日・UAE「包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアチブ(CSPI)」(注1)の下であらゆる分野の協力関係を強化していきたいと述べ、ムハンマド大統領は特に宇宙分野の協力への関心を示した。

また、会談では、脱炭素や気候変動対策分野の協力に焦点が当てられ、中東地域をクリーンエネルギー・脱炭素のグローバルハブとする「グローバル・グリーン・エネルギー・ハブ」構想や、これにグリーン素材分野を含む「グローバル・グリーン・ジャーニー」構想の実現に向けた協力について合意した。両首脳は「気候行動に関する日・UAE共同声明」(英文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))を発出し、脱炭素・クリーンエネルギーに関する協力強化や、2023年11月にドバイで開催予定の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に向け、国際社会での気候変動対策行動を主導することで合意した。

加えて、2023年1月に両国が署名した「日・UAE先端技術協力スキーム(JU-CAT)」(注2)や、新たな「エネルギー安全保障と産業の加速化枠組み」「半導体・電池対日投資協力枠組み」を柱とした「日・UAEイノベーション・パートナーシップ」による先端技術分野の協力強化についても合意した。

同日には、UAE経済省が主催し、経済産業省・ジェトロ・中東協力センターが共催する「日・UAE・ビジネス・フォーラム」が開催された。UAEのアブダッラー・ビン・トゥーク・アル・マッリー経済相を含む両国の官民関係者が参加した。

(注1)2018年4月に合意した枠組みで、それ以前の両国関係の中心にあったエネルギー分野だけでなく、双方に裨益(ひえき)する幅広い協力分野のフォローを目的としたもの。2022年9月には、5つの協力分野を定めた枠組み文書「CSPIの実施に関する共同宣言」に署名した。

(注2)日本の先端技術分野スタートアップとUAEの投資家の協業を促し、UAEの脱炭素化と産業発展、人材育成に貢献することを目的とした枠組み。

(久保田夏帆、山村千晴)

(日本、アラブ首長国連邦)

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