米アマゾンのプライムデー売上高は6.1%増、市場予想に届かずも家庭用品や生活必需品が好調
(米国)
ニューヨーク発
2023年07月19日
米国アマゾンは7月11~12日、年に1度の有料会員向けの大規模セール「アマゾン・プライムデー」(注1)を開催した。複数のメディアによると、同イベントの売上高は前年比6.1%増の127億ドルに達したという(注2)。米国調査会社ヌメレーターによると、全世界で3億7,500万点以上の商品が購入され、買い物をした世帯の65%が2回以上注文し、1世帯当たりの平均消費額は155.67ドルに上った。
このイベントの業績は、年末商戦期間の電子商取引(EC)需要と強い相関関係があるといわれており、2023年後半の消費活動を占う1つの目安としても注目されていた。今回は、例年よりも多くのお買い得商品を提供し、総額25億ドル以上の値引きとなり、事前に予想されていた伸び(前年比9.5%増)を下回る結果となった。
また、ヌメレーターのアンケート調査(注3)によると、カテゴリー別では、家庭用品や生活必需品の販売が好調で、家庭用品と生活必需品の購入割合はそれぞれ28%、26%となった。アンケート回答者の半数以上(52%)が、「セールで購入するのを待っていた商品を購入した」と回答しており、プライムデー直前期には買い控えが起きていたとみられる。
コンサルティング会社ストーチ・アドバイザーズのジェラルド・ストーチ最高経営責任者(CEO)は「われわれは、2023年後半に向けて販売を前倒ししているだけなのか、それとも苦境に立たされた消費者の最後のあがきになるのかはわからない」と述べ、プライムデーの成功が必ずしも個人消費の好調を示すものとは限らないとの見方を示している。
(注1)アマゾンは2015年にプライムデーを開始した。プライムデーの規模は年々拡大しており、売上高は2015年から2022年の7年間で12倍以上伸びている。ウォルマートやターゲットなども近年、セールイベントを実施している。
(注2)米国ソフトウエア大手アドビによる推計。
(注3)調査実施期間は2023年7月11~12日。対象は、プライムデー期間中に商品を購入した米国の1万5,239世帯。
(樫葉さくら)
(米国)
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