2023年の国内ロボット・自動化関連市場規模、新型コロナ禍前を超える見込み
(ドイツ)
ミュンヘン発
2023年06月20日
ドイツ機械工業連盟(VDMA)は6月16日、ドイツ国内のロボット・自動化関連市場規模の予測を発表した。
VDMAは、2023年の売上総額は前年比13%増の162億ユーロとし、新型コロナウイルス禍前の最高額だった2018年の151億ユーロを超えると予測している。また、大量の受注残の解消により、新型コロナ禍によるサプライチェーン問題が徐々に軽減され、2023年はすでに多くの注文が入っているとみられることから、新型コロナのパンデミックの状況からついに脱却するとしている。
ロボット・自動化関連市場は、(1)産業用画像処理、(2)統合組み立てソリューション、(3)ロボットで構成される。VDMAは2023年のそれぞれのドイツ国内市場規模について、(1)は前年比7%増の36億ユーロ、(2)は17%増の87億ユーロ、(3)は12%増の39億ユーロを見込んでいる。
VDMAは、国際ロボット連盟(IFR)の統計を引用し、2022年の産業用ロボットの新規設置台数が前年比2%増の53万1,060台だったとした。また、2021年の従業員1万人当たりのロボット設置数は、韓国1,000台、シンガポール670台、日本399台、ドイツ397台、中国322台だったが、VDMAは、2023年に中国がドイツを追い抜くと予測している。
激化する国際競争の中、VDMAは今後、人手不足が予想される製造業やサービス業、および再生可能エネルギー分野におけるロボット・自動化関連の動きを推進していくとしている。サービス産業はドイツのGDPの約7割を占めている。再生可能エネルギー分野では、(1)燃料電池・水電解装置、(2)蓄電池・電動車、(3)太陽光発電、(4)風力発電、(5)ヒートポンプにおける競争力、生産力、強靭(きょうじん)性、独立性を重視している。
(高塚一)
(ドイツ)
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