トヨタ、米ミシガン州の研究開発本部にEVバッテリー試験施設を増設

(米国、日本)

シカゴ発

2023年06月12日

トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)は6月8日、電気自動車(EV)と電動化車両向けのバッテリー性能を評価するため、米国ミシガン州ヨークタウンシップにある北米研究開発本部に約5,000万ドルの投資を行い、新施設を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新施設は2025年に操業を開始する予定だ。

TMNAは北米研究開発本部にEVバッテリーセル、モジュール、パックの試験機能を備えたバッテリー試験施設を増設する予定。設備投資額は新施設建設に2,880万ドル、機械設備に1,890万ドルとなる見込みだ。今回の投資に対して、ミシガン州戦略基金は同州ビジネス開発プログラムの助成金から50万ドルを拠出するほか、同州経済開発公社(MEDC)が12年間の州教育税の軽減(109万ドル相当)を承認している。

同州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)はTMNAによる新たな投資について「先進的な自動車製造でミシガン州のリーダーシップを明確にし、モビリティーと自動車の電動化の未来におけるグローバルリーダーとしての位置を強固なものにする」と述べた。TMNAの安井慎一研究開発担当副社長は「50年以上にわたってミシガン州の自動車産業の重要な柱となってきた北米研究開発本部への新たな投資は、全ての人のための電動化に向け、当社が方向転換したことを示している」と述べた。

また、MEDCは同日、TMNAの「ドライビング・ポシビリティー・イニシアチブ」がミシガン州で開始されると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この取り組みは、トヨタ米国基金が全米14州でK-12(注1)のSTEM教育(注2)を支援する新しい教育・地域密着型プログラムだ。MEDCはこのプロジェクトを5年間支援することを約束している。

(注1)幼稚園から高等学校までの期間。

(注2)STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)教育の頭文字を取ったもの。教室での学びを現実の世界と結びつけることで、より高度な思考力を身につけることに重点を置いている。

(齋藤秀美、星野香織)

(米国、日本)

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