南アとデンマーク、オランダがグリーン水素などで連携強化
(南アフリカ共和国、デンマーク、オランダ)
ヨハネスブルク発
2023年06月30日
オランダのマルク・ルッテ首相とデンマークのメッテ・フレデリクセン首相は6月20日、再生可能エネルギー、グリーン水素、公正なエネルギー移行などの分野における関係強化を目的として南アフリカ共和国を訪問し、首都プレトリアで3カ国合同公式会合、ビジネスフォーラムに出席した。
公式会合では、南ア・オランダ政府間でのグリーン水素分野協力に関する覚書と、南ア・デンマーク政府間のエネルギー・パートナーシップ・プログラム2017の開発協力に関する更新合意書が署名された。
ビジネスフォーラムは、南アの貿易産業競争省(DTIC)が主催し、報道によれば、政府関係者、電力公社エスコムの最高経営責任者(CEO)ら130人に上るビジネス関係者が参加した。
フォーラムの中では、南ア初のグリーン水素専用ファンド(SA-H2)に、オランダの投資会社、南部アフリカ開発銀行(DBSA)、南アの金融・保険大手サンラムなどが合計資金額10億ドルで参画予定であることが発表された。
また、南ア電力会社エスコムとオランダ政府は、グルートブレイ発電所周辺における雇用創出と地域活性化を支援する意向表明書(LOI)に署名した。1969年に南アフリカ東部に設立されたグルートブレイ発電所は老朽化が進んでおり、さらに脱炭素化を目指すため、数年以内に閉鎖予定とされている。そのため、労働者の雇用問題、発電所の再利用、公正なエネルギー移行の方法について調査、議論が行われていた。
その他、オランダのインベストメントインターナショナルは、南アの水とエネルギー分野の公共インフラプロジェクトに対して3億ユーロのファンド設立の意向を発表した。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国、デンマーク、オランダ)
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