VW安徽、中国安徽省合肥市に231億元を追加投資

(中国、ドイツ)

上海発

2023年06月05日

中国安徽省の合肥市政府は5月28日、投資誘致セミナーを開催した。セミナーで、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の中国法人と安徽江淮汽車集団(JAC)の合弁会社の大衆安徽は、安徽省合肥市に合計231億元(約4,620億円、1元=約20円)を追加投資すると発表した。そのうち、生産拠点と研究開発センター向けに141億元を投資する見込み。

大衆安徽のエルビン・ガバルディ最高経営責任者(CEO)は「当社は、一汽大衆汽車(VWと第一汽車の合弁会社)や上汽大衆汽車(VWと上海汽車との合弁会社)と異なり、中国で新エネルギー車(NEV)のみを生産している。ブラック クイーン ブラック ジャックや娯楽を提供する車載インフォテインメント(IVI)、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転を可能とするインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)に最も力を入れている」と述べた。また「一汽大衆汽車や上汽大衆汽車と比較して、サプライチェーンとR&Dシステムの統合が特徴だ。当社のMEB(注)工場、R&Dセンターのほか、戦略的パートナーかつバッテリーシステムの取引先の国軒高科(中国大手リチウムイオン電池メーカー)も合肥市に所在する。MEB工場の敷地内にサプライヤー拠点も創設予定」と主張した。製品開発のプロセスを1つの拠点に集約することにより、開発と新商品の市場投入がより早まるものとみられる(「毎日経済新聞」5月29日)。

VWグループは4月に合肥市にICV関連会社を設立するため、10億ユーロを投資すると発表している(2023年4月25日記事参照)。同グループは、ICVやNEVなどの分野で開発期間を短縮し、ニーズに合わせた製品開発や現地化を進め、中国市場での地位を維持し続けたいと述べた。

(注)Modularer E-Antriebs-Baukasten(Modular electric drive kit)の略。VWが開発したBEV専用のプラットフォーム(共通設計・部品共通化のための基盤)。

(龐婷婷)

(中国、ドイツ)

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