米有権者の約3割が人工妊娠中絶に対する立場で投票先を判断、世論調査
(米国)
ニューヨーク発
2023年06月23日
米国調査会社のギャラップは6月21日、人工妊娠中絶は、支持する有権者にとって依然として重要な問題との調査結果を発表した。2023年5月1~24日に実施した本調査によると、「人工妊娠中絶に関して自分と同じ立場をとる候補者にのみ投票する」と回答した有権者は、1992年の調査開始以降最高の28%となった。
「人工妊娠中絶に関して自分と同じ立場をとる候補者にのみ投票する」と回答した有権者を立場別でみると、人工妊娠中絶支持派が33%、反対派が23%で、支持派の方が人工妊娠中絶の問題を重視する傾向にある。また、党派別でみると、共和党では支持派が2%、反対派が21%だったのに対し、民主党では支持派が37%、反対派が2%だった(注)。
また、「人工妊娠中絶の問題は重要でない」と回答した有権者は、1992年の調査開始以降最低の14%となった。2015年は28%、2022年は16%と下降傾向が続いていた。なお、「人工妊娠中絶に関する候補者の立場は多くの重要な要素の1つにすぎない」と回答した有権者は56%で、2019年の48%から上昇傾向にある。
ギャラップは調査結果の総括として、2022年6月24日に連邦最高裁判所が女性の人工妊娠中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」の破棄(関連実写 版 ブラック ジャック)をきっかけに人工妊娠中絶の支持派が増え、投票の際に候補者の人工妊娠中絶に対する立場を重視するようになったと指摘している。減少傾向にある人工妊娠中絶の反対派は以前ほどこの問題に熱心でなくなっており、有権者にとっては、現行法の維持よりも、人工妊娠中絶を認める法改正を望む気持ちの方が強いことがわかるとしている。
(注)共和党は623人、民主党は511人を対象に調査。
(吉田奈津絵)
(米国)
ビジネス短信 4dc4a7ac516cfe27