ジョコ大統領、新型コロナウイルスの「エンデミック」移行を宣言

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は6月21日、新型コロナウイルス感染症について、「パンデミック（世界的流行）」から「エンデミック（一定の周期で繰り返される流行）」への移行を宣言した。

ジョコ大統領は大統領府のオンライン会見で、日々の新規感染者数がゼロに近い低水準で推移していること、国民の抗体保有率が99％に達していること、世界保健機関（WHO）が新型コロナウイルスの緊急宣言を終了させたことを踏まえた決定だと述べた。新型コロナウイルス対策タスクフォースによると、6月21日の新規感染者数は114人となり、6月9日以降、200人を下回って推移している。

ジョコ大統領は加えて、インドネシア国民に対して「今後も注意を怠らず、健康で清潔な生活を送ってほしい。今後、経済が再び動き出し、人々の生活の質が改善、向上することを期待する」とした。

インドネシア政府の新型コロナウイルス対策タスクフォースは2023年6月9日、新型コロナウイルス流行時の入国規制および国内旅行者の旅行条件に関する通達を廃止していた（2022年6月20日記事参照）。

同宣言を受け、インドネシア雇用者協会（Apindo）のシンタ・ウィジャジャ会長は「エンデミックへの移行宣言は国内消費の増加など、国内経済にプラスの影響を与えるだろう」と述べた。また、インドネシア大学医学部のチャンドラ・ヨガ・アディタマ教授は「エンデミックに移行したとしても、新型コロナウイルスの並外れた感染影響力を考慮し、政府はワクチンの無料接種を引き続き提供する必要がある」とした（「トリブンニュース」6月22日）。

（八木沼洋文）