商船三井、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」の船上トライアル実施
(米国、日本)
ヒューストン発
2023年06月07日
海運大手の商船三井は6月6日、米国の宇宙企業スペースX(本社:カリフォルニア州ホーソーン)が運用し、ノルウェーのネットワークソルーション企業マーリンク(本社:ライサカー)を通じて提供される衛星通信サービス「スターリンク」のトライアル利用を商船三井の運航船で実施したと発表した。
発表によると、スターリンクは低軌道の人工衛星を使用し、高速で低遅延接続が可能な衛星通信サービスとされる。スターリンクを船上で利用することで、船・陸間でシステムやデータをリアルタイムに共有することによる安全運航の高度化と、船員の船上での当直時間外の生活でも高速通信を利用した交信が可能になるため、船員の生活の質の飛躍的な向上が期待できるとしている。
商船三井は、同社が運航する国際航海に従事する船でスターリンクのトライアルを実施したところ、従来と比べ最大で50倍の通信速度の向上を確認したとしている。同社は今後、複数の船で継続的なトライアルを行い、その効果検証を踏まえて、船上での通信環境改善によって実現される船上業務・生活の未来像を構想・公表し、商船三井グループ運航船への導入を引き続き推進するという。
商船三井のトライアル船の乗組員は「船員の仕事の性質上、家庭から遠く離れて過ごす必要があり、船上でのインターネット接続が改善され、ビデオ通話により家族や友人と洋上でもリアルタイムでつながることができるようになることは極めて重要」とコメントしている。
商船三井グループは、通信環境が陸上と比較して著しく劣る海上で高速で低遅延接続が可能な衛星通信サービスを活用することにより、船員の船上での生活の質の向上を図るとともに、海上のデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに推し進める方針だ。
(沖本憲司)
(米国、日本)
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