7月1日から自動車排出ガス規制「国6b」を実施

(中国)

北京発

2023年05月11日

中国の生態環境部と工業・ブラック ジャック ランキング化部など5部門は5月8日、自動車排出ガス基準の「国6」基準のb段階(国6b)を実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)した。

7月1日から、基準を満たしていない車両の生産、輸入、販売が禁止される。なお、一般的な乗用車が含まれる「軽型自動車」のうち、RDE試験(路上走行試験)の報告内容が「検査のみ」にとどまる車両(注2)については、経過措置として2023年12月31日まで販売が許可される。

国6基準はa、bの2段階に分けて定められており、現在はa段階(国6a)が実施されている。国6aはEUの「ユーロ6」よりも厳しく、国6bは米国の「ティア3」の定める2020年の平均値に相当するレベルとされる。

中国自動車工業協会によると、2016年に国6基準が発表されて以降、多くの企業は国6bに合わせて研究開発・生産を行っており、基準を満たした車両の市場シェアは既に90%を超えているとされる。また、2023年1月末時点でRDE試験をクリアできていない在庫車両は189万台としている。報道では、多くの企業が国6bの技術に既に対応しており「『国5』基準への切り替えの時ほど市場に大きな影響は生じない」との見方が報じられている(「証券時報」5月10日)。

一方で、2023年に入って中国では多数の自動車メーカーが大幅な値引きを行っているが、RDE試験を含めた国6bを満たしていない車両の在庫整理が要因の1つとの見方があった。RDE試験結果が「検査のみ」でも、引き続き販売が許可されることにより、「自動車メーカーとディーラーを安心させ、消費の安定につながる」との見解も報じられている(「21世紀経済報道」5月9日)。

(注1)「国6」基準は「軽型自動車汚染物排出制限値および測定方法」(GB18352.6-2016)、「重型ディーゼル車汚染物質排出制限値および測定方法」(GB17691-2018)で詳細が定められている。

(注2)中国自動車工業協会によると、7月1日まではRDE試験の報告書に「検査のみ」と「基準値をクリアしている」のいずれかを選択して記入することができる。国6b実施後は「基準値をクリアしている」の記入が必須となるが、既に「検査のみ」と報告している車両について、2023年12月31日まで販売が許可される。

(河野円洋)

(中国)

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