グリーンエネルギー分野での投資誘致に注力
(ウズベキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、中国、韓国)
タシケント発
2023年05月10日
ウズベキスタンで4月27~28日に開催されたタシケント国際投資フォーラム(TIIF-2023)では、約110億ドル、164件の投資関連文書が調印された。その中で投資規模が大きかったのは電力事業で、特に再生可能エネルギー分野だった。
個別案件では、中国葛洲坝集团(China Gezhouba Group)がウズベキスタン電力網公社との間で、同国南西部のブハラ州、カシカダリヤ州にそれぞれ500メガワット(MW)の太陽光発電所を建設する協定に調印した。サウジアラビアのアクワ・パワーとアジア開発銀行は、ブハラ州での2つの風力発電所の建設事業向けに1億7,400万ドルの融資契約を締結した。ウズベキスタン天然資源省は、韓国のセジンG&Eとの間で、タシケント州アハンガランとマイドントルの埋立地での16MWのバイオガス発電の実施に関する協定を締結した。
再生可能エネルギー以外では、トルコのジェンギズ・エネルジによるジザク州での400MW複合火力発電所建設案件が1件だった。
ウズベキスタンでの再生可能エネルギー分野では、中東、中国企業の積極的な事業展開が目立つ。サウジアラビアのアクワ・パワーやアラブ首長国連邦(UAE)のマスダールなどを中心に、2023年は2,000MW、2024年には8,000MWの太陽光・風力発電設備が稼働する見込み。アクワ・パワーのムハンマド・アブナヤン会長は同フォーラムで、今後ウズベキスタンでグリーン水素の生産を検討する可能性を示唆している。
ウズベキスタンでは、消費と経済の急速な伸びにより、冬季と夏季の電力消費ピーク時に首都や地方で頻繁に停電が発生している。同フォーラムで登壇したシャフカト・ミルジヨエフ大統領は、再生可能エネルギーを中心とした「グリーン経済」を、外国投資誘致の優先分野の1番目に挙げている。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、中国、韓国)
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