ロシアでテレビの販売が増加、韓国に代わり地場・中国ブランドなどがシェア獲得
(ロシア、韓国)
欧州課
2023年05月18日
地場家電量販店大手のエムビデオ・エルドラド・グループ(以下、MVID)は5月16日、2023年第1四半期におけるロシア国内でのテレビの販売が200万台近くに達し、前年同期と比べ15%増加したとの分析結果を発表した。CIS諸国のメーカー品のほか、ロシアの小売企業がプライベートブランド品として手頃な価格で販売する、32~45インチの中型サイズが売れ筋で、全体の販売量の約6割を占めた。
同時に、45~60インチとより大型で、高機能を備えた製品に対する需要も高まっている。このセグメントで存在感を増しているのが中国だ。MVIDの映画・音楽部門のアンドレイ・ニコノフ代表は「中国ブランドは顧客のニーズに応えるハイエンドな商品を魅力的な価格で提供している」と話す。自宅での映画鑑賞やホームエンターテインメントなどの需要をうまく取り込んだハイアールやハイセンスがシェアを拡大している。MVIDは、特に「QLED」(量子ドット)(注)テレビにおいて、韓国ブランドから中国ブランドへの置き換わりが著しいと分析している(「MVID」5月16日)。
苦戦する韓国ブランド
ロシアの家電・電子機器のオンラインショップ、ホロジリニク・ルーのコマーシャルディレクター、アレクセイ・ポグダロフ氏の推計によると、ロシアにおける1月のLGとサムスンのテレビ販売台数はそれぞれ前年同月比で74%減、68%減だった。ポグダロフ氏は、韓国ブランドが苦戦を強いられる背景の1つとして、LGとサムスンの製品はロシア市場への直接供給が停止されていることで平均価格が20%近く上昇しており、価格競争力が低下していることを指摘した(「コメルサント」紙3月20日)。他方で、並行輸入が許可されていることもあり(関連ブラック ジャック 勝ち)、売り場では両ブランドの商品が今でもよく見られる。
(注)量子ドットとは、光を照らしたり電流を供給したりしたときに、同じ物質であっても粒子の大きさによってそれぞれ違う長さの光の波長を発生させ、多様な色を出すことができる半導体ナノ粒子のことをいう。
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