タイがASEAN加盟国間での認定事業者(AEO)相互認証取り決めに調印
(タイ、ASEAN)
バンコク発
2023年05月18日
タイ関税局は5月15日、ASEAN加盟国間で認定事業者(AEO)制度を相互認証する取り決め(ASEAN AEO MRA)に調印した。同取り決めにより、AEOステータスを有するASEANの輸出業者の製品は、ほかの加盟国への輸入にあたって、迅速な貨物の通関や優先的な待遇など、貿易円滑化の恩恵を受けることができるようになる見込みだ。
ASEAN AEO MRAは、ASEANの関税当局間の協力を強化し、貿易の安全性と円滑化を図ることを目的とし、2019年6月の第28回ASEAN税関長会議での合意に基づき交渉が開始された。同取り組めは、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、シンガポール、ベトナム、ラオス、フィリピンがすでに署名しており、タイは8番目となる。
相互承認取り決め(MRA)自体は10カ国の署名後に発効するため、マレーシアとミャンマーの署名を待つ必要があるものの、ジェトロがタイ税関へ5月16日にヒアリングしたところ、すでに署名を終えた複数のASEAN加盟国間で、試験的にMRAの運用を開始するパイロットプロジェクトが実施される見通しだという。ただし、国によって、システム整備など準備状況が異なるため、詳細については引き続き、当局間で議論を行っているところだ。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、ASEAN)
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