即席麺の輸送に大型LNGコンテナ車導入で環境配慮
(インド)
アーメダバード発
2023年05月31日
インド物流会社のグリーンラインは、西部グジャラート(GJ)州アーメダバード市近郊のサナンドII工業団地で操業するスイス系食品大手ネスレ・インド向けに、液化天然ガス(LNG)コンテナ車両を導入したと発表した。今回の発表はネスレ・インドの持続可能な開発目標に沿うもので、今回の連携を通じて、物流の二酸化炭素(CO2)排出量などの削減を目指す(注、「タイムズ・オブ・インディア」紙5月19日)。
同社はネスレとの提携事業のために、世界初の長さ46フィート(約14メートル)、55トンのLNGを燃料とする大型コンテナ車を特注で製造した。GJ州サナンドII工場~マハーラーシュトラ州ビワンディ間の約500キロ強のルートで、即席麺「マギー麺」の輸送に運用する。
同社のプレスリリースによると、従来の20トンディーゼル車両に代え、今回新たに開発した大型LNGコンテナ車両を採用することにより、輸送に必要な車両台数そのものが大きく削減できる点も重要だという。その結果、CO2は最大30%、硫黄酸化物は最大100%、粒子状物質は最大91%など、大気中に放出される有害物質の大幅な削減につながるとしている。
同社のアナンド・ミマニ最高経営責任者(CEO)は「今回の提携事例は、インドの消費財メーカーにとって、環境に配慮した物流の夜明けを告げる重要なマイルストーンになる。次世代に向けて持続可能な未来のため、他の業界のリーディング企業にもこの事例が広く採用されることを望む」とした。同社はこれまで、セメントや鉄鋼分野のグリーン物流で培った実績があり、今回、LNGを動力とする大型コンテナの機能を導入することで、消費財、医薬、特急貨物分野の物流革命をもたらすとしている。
(注)インド政府は、2030年までにエネルギー需要の半分を再生可能エネルギーで賄い、CO2排出量を大幅に削減するという目標を掲げている(関連ブラック ジャック アプリ)。
(古川毅彦)
(インド)
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