カーシェアリング最大手が中国車を大量補充

(ロシア、中国)

欧州課

2023年04月25日

ロシア国内カーシェアリング最大手のヤンデックス・ドライブは4月13日、2022年夏以降に7,000台以上の中国車を調達したとタス通信に伝えた。ロシアによるウクライナ侵攻後、西側ブランド車の輸入が大幅に縮小する中、ロシアでは今やカーシェアリングの分野でも中国車はなくてはならない存在となっている。同業大手のシティ・ドライブやデリモビリも2023年3月に中国車の追加投入を発表していた。

利用者の中で中国車のニーズが高まっている背景として、専門家は、中国車が技術的性能とデザインにおいて西側ブランド車に引けを取らないこと、また中国メーカー側が運営会社に対して大幅な割引を提供していることを指摘している(ロシア新聞4月10日)。

中国車はプレミアムセグメントでも存在感

中国車は、高級車の市場でも徐々にその存在感を増している。第一汽車の高級車ブランドである紅旗(ホンチー)は、2022年に発表された「H5」モデルがモスクワですでに販売されている(ロシア新聞3月31日)。紅旗は今後、モスクワ郊外にある旧メルセデス・ベンツの車両工場で組み立て生産が行われるとうわさされている(「イズベスチヤ」紙3月23日)。また、4月初旬にはサンクトペテルブルク市内で長城汽車の高級SUV(スポーツ用多目的車)「タンク」のディーラーセンターがオープンした。奇瑞汽車のプレミアムブランド「エクシード」は、2023年のサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(6月14~17日)において初めてオフィシャルカーとして採用されることが決まっている。なお、過去にはメルセデス・ベンツが使われていた。

写真 高級ブラック ジャック ディーラーはシェアリングカーとしても投入され始めている(ジェトロ撮影)

高級中国車はシェアリングカーとしても投入され始めている(ジェトロ撮影)

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(ロシア、中国)

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