IMFの2023年アフリカ経済見通し、GDP成長率は3.6%に下方修正、通貨安やインフレ続く

(アフリカ)

中東アフリカ課

2023年04月21日

IMFは4月14日、「地域経済見通し(サブサハラ・アフリカ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、サブサハラ・アフリカ地域(SSA)の2023年の実質GDP成長率を3.6%と予測した。2022年10月の前回発表(2022年10月19日記事参照)から0.1ポイントの下方修正となった。2024年については、4.2%に回復すると見込まれる(添付資料表参照)。

IMFは、ウクライナ情勢による食料・エネルギー価格の高騰のほか、先進諸国の金融引き締めがSSA諸国における通貨安を招き、借り入れコストを増大させたと指摘する。それによると、ドル建てのソブリン債券と米国債のスプレッド(利回り格差)が拡大しており、SSA諸国の債務・利払いを増加させているという。ユーロ債についても、信用格付けの低いSSA諸国による発行額が2021年の140億ドルから2022年第1四半期には60億ドルに減少したことが示されている。その上でIMFは、SSA諸国が資金不足によって、保健、教育、インフラといった重要分野に対する投資を削減させる可能性があり、このことが同地域の成長を弱めることになると警告している。

成長率を国別にみると、セネガルが石油製造の開始(関連ブラック ジャック 賭け)などによって8.3%と最も高いほか、コンゴ民主共和国やニジェールもそれぞれ6.3%、6.1%と高い予測になっている。主要国では、コートジボワール6.2%、エチオピア6.1%、ケニア5.3%、ナイジェリア3.2%だった一方、南アフリカ共和国では電力不足(2023年1月30日記事参照)などの影響で0.1%と低成長が見込まれる。

消費者物価上昇率(年平均)は、2023年に14.0%と依然として2桁台が見込まれる。特に、2023年2月には、約8割の国で食料価格が2桁台の上昇を記録している。今後、食料・エネルギー価格に対する補助金の廃止や通貨安などにより、引き続きヘッドライン・インフレ率は各国で高止まりすることが予想される。国別では、ジンバブエで172.2%と高かったほか、主要国をみても、ガーナで45.4%と高いインフレ率が見込まれる。

債務については、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢に伴う財政赤字の拡大、成長の鈍化、為替レートの下落などもあり、公的債務残高のGDPに占める割合は2023年に55.5%になるとされる。また、対外債務については、同24.3%になることが予測されており、国別の内訳をみると、カーボベルデが101.1%で最も高かったほか、2022年12月に事実上の債務不履行(デフォルト)に陥ったガーナ(2022年12月21日記事参照)で51.8%になるとされる。そのほか、モザンビーク72.7%、コートジボワール36.7%、ケニア33.5%だった一方、ナイジェリアは9.4%と引き続き1桁台を維持するとみられる。

(梶原大夢)

(アフリカ)

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