電気自動車購入時の付加価値税を減免、電動二輪購入時には補助金を付与

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年04月06日

インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は3月29日、財務大臣規定2023年第6号を発出し、電気自動車(EV)購入の際の付加価値税を減免すると発表した(添付資料参照)。同国では、電気自動車に対する補助について具体的な発表が待たれていた。

同規程では、国産化率40%を超える特定の電気自動車の購入に対して、付加価値税を10%減免すると規定された。その他、国産化率40%を超える特定の電気バスの購入に対しても付加価値税を10%減免し、国産化率が20%~40%までの特定の電気バスの購入に対しては付加価値税を5%減免する。期間は2023年末までとされた。

現在、インドネシアの市場で販売されている電気自動車で上記の条件を満たす車種は、上汽通用五菱汽車(SGMW)の「Air EV」と現代自動車の「Ioniq5」の2車種のみとなる。SGMWのブランド・マーケティングディレクターであるディアン・アスマハニ氏は「基本的に政府の政策に賛成だ。どのような形であれ、インドネシアにおける電気自動車のトレンドを加速させるのに、良い影響を与える政策だろう」とし、「この政策で電気自動車の売り上げが増えるはずだが、どの程度増加するかは検証する時間が必要だ。ただ、消費者が電気自動車に乗り換えようとする価値観が生まれたのは歓迎すべきことだ」との見解を示した(コンパス紙4月2日)。

また、先んじて発表されていた工業大臣規定2023年6号では、電動バイク購入に際する補助金が規定された。期間は今後2年間で、補助金額は1台当たり700万ルピア(約6万1,600円、1ルピア=約0.0088円)とされた。補助金の対象となる車種は国産化率40%以上の製品に限られ、適用される対象者は零細中小事業者、900ボルトアンペアまでの電力補助金受給者など特定のコミュニティーに限られる。

(尾崎航)

(インドネシア)

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