中東版「フォーブス」、フィンテック企業トップ30を発表
(中東、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)
中東アフリカ課
2023年04月19日
米国誌「フォーブス(Forbes)」の中東版「フォーブス・ミドルイースト」は4月10日、中東の「2023年版フィンテック企業トップ30」を発表した。このランキングは、2022年のデジタルチャンネルを通じた取引額、アプリのダウンロード数・アクティブユーザー数、事業展開している国の数、過去1年間の成長率、イノベーション、消費者や企業へのインパクト、資金調達額などを基準として選出される。
1位には、エジプトの電子決済最大手「Fawry」が選ばれた。同社はモバイル決済に加え、ウェブサイトやPOSシステムを通じた複合的な電子決済サービスを提供する。36の加盟銀行と28万以上の代理店のネットワークを通して、2022年には4,940万人のユーザーにサービスを提供し、68億ドルの取引を決済した。
2位に選ばれたヨルダンの「MadfooatCom」は、リアルタイムの電子手形・電子決済サービスをヨルダンのほか、エジプト、サウジアラビア、オマーン、パレスチナ、アラブ首長国連邦(UAE)、モロッコで提供している。3月現在のアクティブユーザー数は360万人、アプリのダウンロード数は140万件以上で、2022年は147億ドルの取引を処理した。
3位に入ったUAEの「Optasia」は、AIを活用してマイクロレンディング(少額融資)やデータマネタイゼーション(データ収益化)などの金融サービスを提供する。サブサハラ・アフリカ、中東、アジア、ラテンアメリカの新興市場を中心に30カ国以上で事業を展開し、過去10年間で400億件の与信判断が行われた。
国別で見ると、エジプトが8社で最も多く、次いでサウジアラビア6社、UAEとクウェートがそれぞれ5社だった。
同じく「フォーブス・ミドルイースト」による2022年版「中東・北アフリカ(MENA)地域で最も多く資金調達したスタートアップ50社」では、フィンテック企業が50社のうち21社を占め、計13億ドルを調達するなど、フィンテックはMENA地域で急成長分野の1つとなっている。
(稲山円)
(中東、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)
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